見えない不安を取り除き、「視界良好」にするために
社員のキャリアパスを「見える化」するうえで、人事として取り組めることは、制度の整備だけではありません。
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- キャリアパスの「言語化と公開」
- 社内の全職種、それぞれの職種で求められる能力、評価基準、そして次に進める道筋を、イントラネットなどで誰もがアクセスできる形で明確に公開します。
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- キャリアの「棚卸し機会」の提供
- 社員が自身の現在地を把握し、どの方向へ進みたいのかを考えるための定期的なキャリア研修やワークショップを提供します。特に若手・中堅社員にとっては、年に1度の目標設定時だけでなく、ライフイベントや節目ごとに、自身のキャリアを見直す機会が必要です。
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- 上司の「キャリアコーチング能力」の向上
- 部下のキャリア志向を理解し、会社のキャリアパスと結び付けてアドバイスできるような、上司の面談スキル向上を徹底します。上司は、社員にとって最も身近なキャリアの羅針盤となれる存在です。
これらの取り組みを通じて、社員は自分の「変わりたい」という意欲が、自社内での具体的な道筋と結び付いていることを理解しやすくなります。これが、将来に対する不安の解消につながり、自律的な学びと行動の土壌となるのです。
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次回は、いよいよ最後のステップです。ステップ③として、社員が描いたキャリアに実際に踏み出す際に立ちはだかる「見えない壁」をどう取り払うかについて、具体的な施策を紹介します。

