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HRzine Day 2025 Summer

2025年7月29日(火)@オンライン

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イベントレポート《人的資本経営》| 第4回 科学的人事アワード

三菱重工業、コスモエネルギー、サッポロビールなど7社が「科学的人事アワード」大賞に 各社の共通点は?

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「越境せよ」を理念に人事制度改革と組織風土情勢に挑むサッポロビール

サッポロビール株式会社

 自律的なキャリア支援を通じて、越境人材の創出を推進。ノーレイティング導入による育成型マネジメントへ転換し、公正性と透明性の向上に注力したことが評価された。

 同社は、「当社は『越境せよ』を人事戦略の基本理念として掲げ、以下の3点を推進している。1点目が新たな企業価値創造に向けた『越境人材』の育成。それに見合う組織風土をつくるためにさまざまな取り組みを行っている。2点目がTalent Paletteを活用した自律的なキャリア支援・社員教育・人的資本のモニタリング。『自分のキャリアは自分で切り開く』という理念の下、人的資本への投資と支援を進めている。3点目が人事制度の見直しだ。組織やチームに対する貢献も評価するようにした。当社は2026年に創業150周年を迎える。これを機に経営体制や事業構造を改革する方針だ」と述べた。

セガサミーホールディングス株式会社

 HCDGs(Human Capital Development Goals)戦略を体系化し、グループを横断したHR変革を推進。社員が主体的に挑戦可能な環境を整備し、マルチカルチャー人材の育成に注力したことが評価された。

 同社は、「当社はHCDGsの実現を絶対軸として位置付け、グループ全社がミッションピラミッドというフレームワークを用いて経営を行っている。しかも、それを社員1人ひとりの役割・行動・成果にブレイクダウンしている。我々がタレントマネジメントシステムを導入したのは3年前。事業環境が大きく変わりゆくゲームの世界で社員が学ぶことの喜びを実感しながら、ミッションピラミッドの実現を成し遂げていくには不可欠であると判断したからだ。以来、Talent Paletteを使いこなして来ている。だが、その多くは他社の試みに学んだものだ。今後も多くの企業とコラボしながら、人事戦略を達成していきたい」と述べた。

株式会社三越伊勢丹ホールディングス

 ホールディングス主導で学びの場を戦略的に提供し人材育成に注力。従業員に向け、キャリア構築・挑戦を促す仕組みを展開し、自律的キャリア形成を支援したことが評価された。

 同社は、「現在グループ31社、従業員1万5000人を対象に学びの場を提供している。各自のキャリアの幅を広げるためだ。主な取り組みは3点。最も注力しているのが、自律的キャリア。個の成長と会社の成長の両立を目指している。2点目が人材育成のグランドデザイン『MANABIの森』の運営。教育の環境・機会を全従業員に提供している。3点目が従業員の自律的なキャリア形成を支援する仕組みの構築。今後は、各事業セグメントの成長を促す展開も検討していく。引き続き従業員がより自律的なキャリアを選び取り、個々の成長につなげていける仕組み作りを進めていきたい」と述べた。

「キャリア自律」が企業文化に 人的資本開示のさらなる強化が期待される

 表彰式の後には、慶應義塾大学大学院 経営管理研究科 講師/山形大学 客員教授の岩本隆氏が登壇し、同アワードを次のように総評した。

 「前回からの進化として3点を挙げたい。第1に経営としての人材マネジメントの増加。第2に人的資本経営の実践に向けた戦略的な組織構築の推進。第3が自律的キャリア形成の取り組みが企業文化へと昇華してきた点だ。コーポレートガバナンス改革を巡る議論が進む中、今後の方向性としては人的資本開示がさらに強化されていくだろう。具体的には、企業戦略と連動した人材戦略、従業員給与・報酬決定方針、従業員給与平均額の前年比増減率などの開示がポイントとなる。これらに応えるためにもデータドリブンで人的資本経営を進めていただきたい」(岩本氏)

受賞企業のみなさん
受賞企業のみなさん

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この記事の著者

袖山 俊夫(ソデヤマ トシオ)

上智大学法学部卒。上場企業に入社し、宣伝部に在籍。その後メディア・コーディネーターとして独立。以来、多くのフリーランススタッフと案件ごとにユニットを編成し、大手新聞社グループ各社が発行する媒体のコンテンツ制作をハンドリングする。現在は、執筆業に専念。経営やHR分野を中心に、企業経営者や人事責任者、大学教授などのイン...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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