生成AIの活用と候補者体験の向上を推進
続いて、アンケート結果をもとに両氏の議論が展開された。まず永峰氏から、みんなの銀行における生成AI活用事例が紹介された。
「当行では生成AIを採用シーンで活用しています。目的は、業務効率化、評価の属人化防止、候補者体験の向上です。具体的な事例としては2つあります。1つは、候補者情報と採用ペルソナを掛け合わせた書類選考の精度向上。もう1つは、候補者情報を活用したスカウト文面のカスタマイズです。これにより、返信率の向上を実現しています」(永峰氏)
書類選考は、どうしても担当者によって評価にばらつきが生じやすい。基準の揺れを抑え公平性を確保するために、生成AIでデータを蓄積・分析し精度を高めていく意義は大きいと冨松氏は指摘する。スカウトも人事の腕の見せどころではあるが、同時に省力化や効率化も求められる領域であり、AI活用への期待は高い。
みんなの銀行では、採用にとどまらず社内全体で生成AI活用を推進している。具体的には、プロンプトアイデアコンテストを継続的に開催し、優れたプロンプトを共有するなど、日常業務への定着を図っているという。
次のテーマは「入社後の『話が違う』をなくすための選考段階での工夫」である。まず冨松氏が、paiza(サービス)を活用した自社のITエンジニア採用の要諦を説明した。
「当社は技術力を可視化する仕組みを持っており、SランクからEランクまでの6段階でITエンジニアのスキルレベルを定義しています。その技術力と経験をもとに開発部門とすり合わせを行い、ペルソナを設計して求人票に落とし込みます。また、条件に合致する人材をデータベースから検索し、開発リーダーが直接スカウトすることも可能です」(冨松氏)
その結果、paiza経由の1次面接通過率は50%以上と、他ルートを10ポイント以上上回っている。
「『paizaランク』では、各ランクに応じて期待できる実務レベルやプログラミングスキルのレベル感を客観的に測定します。また、約3500万回に及ぶ受験実績をもとに、信頼性の高いデータベースを構築し、精度の高い技術マッチングを実現しています」(冨松氏)
このスキルチェックでは、実務に即した難易度の課題を設定し、提出されたコードを10以上の観点から検証している。こうしたノウハウこそが、paizaならではの強みだ。
みんなの銀行でもこのサービスを活用しており、ITエンジニアスキルの見極めに大きな成果を上げている。さらに、候補者体験の向上にも注力していると永峰氏は説明する。
「まずは、ペルソナに基づく採用要件の明確化です。次に、アトラクトを軸とした選考フローの再設計。3つ目は、早期回答を意識した即断即決できる体制の構築。4つ目が、現場の評価コメントを添えた想いが伝わるオファーレターの作成や、オファー面談で活用する資料の充実です。さらに5つ目が、入社後のオンボーディングやリファラル採用の強化。これらに取り組み、ミスマッチ解消を図っています」(永峰氏)


