SmartHRは、従業員51名以上の法人で人的資本データ開示業務に携わる人事担当者310名を対象に、「人的資本開示とデータ活用に関する実態調査」を実施し、その結果を発表した。
同社は調査結果について、以下のように述べている。
人的資本データを収集・可視化する最大の目的は「採用力の強化」。外部開示への対応は14%にとどまる
人的資本データを収集・可視化する目的として最も多かったのは「採用力の強化(32%)」。次いで「従業員エンゲージメント/生産性向上(24%)」「経営戦略や人材施策への反映(18%)」が続いた。
一方で、制度対応の文脈で語られがちな「外部開示への対応(統合報告書等)」は14%にとどまり、人的資本データの収集が“開示のため”から“経営課題に取り組むため”へ位置付けを広げつつある実態がうかがえる。
人事施策の効果と経営成果の関係性は「可視化できている」が計89%
「人事施策の効果」と「経営成果」の関係性を可視化できているかを尋ねたところ、「数値で可視化できている(53%)」と「数値ではないが定性的には可視化できている(36%)」を合わせ、計89%が“可視化できている”と回答した。
人的資本データの整備が進むことで、開示対応にとどまらず、施策の検証や改善に向けた土台が形成されつつあることが示された。
経営層へ報告している人事データは「実績数値」に加え、「投資対効果(ROI)」や「組織リスク予測」まで広がる
経営層や役員会へ定期的に報告・提示している人事データの内容としては、「確定した実績数値(62%)」が最多となりました。加えて、「投資対効果(ROI)の分析/報告結果(54%)」「数値の変化から読み取れる組織リスクの予測(52%)」も半数を超え、報告内容が“実績の共有”から“意思決定に資する示唆”へ拡張している実態が明らかになった。
約9割が、人事データが経営判断・人事施策の決定において「決め手になった」と回答
収集した人事データが、経営会議や役員会などにおいて「経営判断」や「人事施策の決定」に直接結びついた経験があるかを尋ねたところ、「常に決め手になった(33%)」「時々決め手になった(56%)」となり、合計で89%が“決め手になった”と回答した。
人事データの活用が進むことで、採用・育成・配置・定着といった人材施策が、経営の意思決定プロセスに組み込まれつつある状況がうかがえる。
さらなる活用の最大の障壁は「データの散在」と「分析工数不足」
人事データを経営判断や人事施策の決定に活かすうえでの最大の障壁を尋ねたところ、「データが複数のシステムやExcelに点在(24%)」が最多。次いで「分析する工数/人手が不足(20%)」「経営にデータを活かせない(17%)」が続いた。
人事データの活用をさらに前進させるためには、データ統合・更新の自動化と、分析・検証を継続的に回すための体制整備が重要であることが示唆される。
調査概要
- 調査名称:人的資本開示とデータ活用に関する実態調査
- 調査方法:インターネット調査
- 調査期間:2026年5月29日〜6月1日
- 有効回答:従業員51名以上の企業で人的資本データ開示業務に携わる人事業務担当者310名
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