調査は2017年7月〜8月に実施。経済産業省および総務省の調査をもとに、国内民間企業および公的機関・団体517件に同研究所が行ったIT投資に関するアンケート調査(調査方法:郵送)を加味して、国内民間企業のIT投資額ベースで結果を算出した。
2017年度の国内民間企業のIT市場規模(ハード、ソフト、サービスを含む)は、前年度2.0%増の12兆1170億円と予想。これまで市場を牽引してきた、金融機関を中心とした大型の基幹システムなどの更新、および開発案件が2016年度にピークアウトしたため、IT市場の拡大スピードは緩やかになると見ている。
2017年度以降は、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)分野が投資対象となり、これらを中心とする案件が、ITベンダーのビジネスの堅調な推移につながっていくと見込んでいる。
また、セキュリティの強化や、働き方改革に関する取り組み、東京オリンピックの開催といったトピックに向けたシステム開発案件、Windows 7のサポート終了(2020年1月予定)によるPCのリプレイスなどが、市場の成長を後押しするであろうと予測。一方で、2019年10月に予定されている10%への消費増税による投資計画の前倒しや、投資金額縮小の可能性には留意が必要だとする。
また、注目すべき動向として、製品やサービスの開発にITが関与する割合が増加していることを挙げている。4〜5年ほど前と比較して「大きく増えた」「少し増えた」と回答した企業や機関・団体は全体の4割を超え(40.6%)、これまで以上にITが活用されていることがわかった。
回答企業の業種別に見ると、特に「加工組立製造業」や「金融業」でこの傾向が顕著となっており、矢野経済研究所はこれをIndustry 4.0やFinTechの影響であると分析している。
この調査結果の資料媒体はこちらから18万円(税別)にて購入可能だ。