このランキングを作成するにあたり、働きがい指標としてVorkersの5段階評価項目から「風通しの良さ」「20代成長環境」のスコアと、多様な働き方指標として「ワークライフバランス」「女性の働きやすさ」の口コミを独自の機械学習技術によってスコア化し、集計したという。
ランキングの結果は下図のとおり。
Vorkersによると、トップ30にはベンチャー企業から大企業、官公庁や医療事業団など、多様な企業がランクインしているが、その中でもトップ3の口コミを見ると、理念や価値観、その会社“らしさ”が社員に浸透していることがうかがえるという。
例えば、経済情報プラットフォーム「SPEEDA(スピーダ)」、経済専門ニュースアプリ「NewsPicks」などを展開し、ランキング1位を獲得したユーザーベースには、社員口コミの多くに「7つのルール」が出てくる。この「7つのルール」は、メンバーそれぞれの生き方を尊重しながら、力を結集するための共通の価値観で、「自由主義」「創造性」「スピード」「挑戦」など、ベンチャーらしい価値観が詰まったもの。このような企業の価値観を共有できていることが、1位となった要因だとVorkersは指摘する。
また、2位のファインドスターは、同社の20の経営理念と価値観を「BeSTAR(ビスタ)」として制定しているが、口コミからは週に1度理念研修を行うなどして、その浸透にも力を入れていることが明らかになったという。
3位のグーグル(Google)は、口コミからもフレックスやテレワークスはもちろん、社内での過ごし方も自由であることがわかった。さらに価値観として「Googley(グーグリー)」という「グーグルらしさ」を表す言葉が浸透。世界中のグーグルカルチャーの源となっているようだ。
なお、今回のランキングは書籍『いい人材が集まる、性格のいい会社』(クロスメディア・パブリッシング刊)の著者である佐藤雄祐氏の協力を得て作成されたという。この結果を受け、佐藤氏は「性格のいい会社」について次のように語っている。
「性格のいい会社とは、『人に対する考え方がある会社』、つまり人材ポリシーのある会社となる。いい人材を採用し、活躍してもらうことで、会社を成長させていくという『人を起点とした経営』を志、そのために社員個々に対して、働きがいと多様な働き方を提供していく会社というのが『性格のいい会社』である。
つまり、会社と対等の関係で会社はいい人材が来て、活躍してほしいし、業績も上げたい。社員は自分のキャリアや幸せな人生を実現できる。このような対等な関係を構築していくものである。
いい人材の採用は経営課題であり、経営戦略である。なぜならこれからのVUCA[1]の時代、必要な経営資源はヒトモノカネ情報ではなく、ヒトヒトヒトヒトになるからである。ゆえに『人を起点とした経営』にコミットしなければならないし、いい人材を集めるためにできることをやっていく、つまり会社を改革していくことが求められている」(佐藤氏)。
性格のいい会社ランキングの詳細はこちら。
注
[1]: VUCAとはVolatility(変動性)Uncertainty(不確実性)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性)の頭文字からとられており、予測不能な状態を指す。