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インタビュー | 新進気鋭の若手プロダクトオーナー

20代男性ばかりで女性向けメディアアプリ「LUCRA」を立ち上げ、順調な成長を遂げる力となったチーム内コミュニケーションの失敗と工夫とは

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 Gunosyが2017年5月にリリースした20代女性をターゲットとするキュレーションメディア「LUCRA(ルクラ)」。その事業責任者は入社2年半、インターン時代を含めると4年の20代半ばの男性である。着任前はWebアプリの開発者だったという。サービスの運営はもちろん、チームのマネジメントも行う重責にどのように向き合い、日々の課題を解決しているのか。LUCRAの事業責任者である渡辺謙太氏(株式会社Gunosy 執行役員 メディア事業本部 LUCRA事業部 部長)に聞いた。

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突然の事業責任者に抜擢も慌てなかった理由

――最初はどのような立場でLUCRA開発に参加されたのでしょうか?

 2017年2月にLUCRAの開発が始まったのですが、それまで私はGunosyのWeb事業部に所属していて、Gunosy.comや小さなWebメディアを開発していました。LUCRAの開発が始まるタイミングで、いち開発者としてジョインした形です。立ち上げメンバーは数名。すぐにエンジニアを数人採用しましたが、当初エンジニアは自分1人でした。

 少人数でのスタートでしたから、エンジニアといえども案出しなどメディアの企画にも参加していました。ただ、LUCRAはまったく新しい事業モデルのサービスというわけではなかったので、若干参加していたという感じですね。事業モデルとしてはグノシーを参考にできましたし、ターゲットだけ20代女性に定め、デザインなどを行うといったことで進められました。

 LUCRAのリリースは、開発が始まって3か月後の2017年5月末です。機能を絞り、最小限のものだけを提供しましたから、コンテンツの企画もライトでしたね。

渡辺 謙太氏
渡辺 謙太(わたなべ・けんた)氏
株式会社Gunosy 執行役員 メディア事業本部 LUCRA事業部 部長。
東京大学在学中時からデータマイニングに興味があり、2014年からアルバイトインターンとしてGunosyに参画。卒業後、2016年4月にGunosyに新卒入社。入社後はウェブメディア開発を経て、女性向けアプリ「LUCRA(ルクラ)」の立ち上げに従事。女性向けメディア立ち上げにおける特有の課題や記事配信ロジックの仕組みづくり、事業拡大フェーズにおける課題等を乗り越え、入社3年目ながら2018年9月より執行役員に就任し、LUCRAを事業責任者として統括している。

――エンジニアとして参加した後、現在のようにLUCRAの事業責任者に就任されたのはいつですか。

 2017年の夏です。最初のリリースやリリース直後は、企画者とエンジニアが厳密に役割分担されていたわけではなく、いっしょに企画や機能改善などもやっていましたから。それに、LUCRAに参加する以前にいたWeb事業部でも新しいメディアの立ち上げ・開発を行っていたので、まるっきり未経験のことをするというのでもなく、スムーズに行きました。むしろ未経験だったのはWebではなくアプリのサービスを作るところで、そちらのほうが「新しいことをやっているな」という感触でした。

――ということは、事業責任者に抜擢されても慌てたりしなかった。

 基本的にはなかったですね。自分が見る範囲、負わなければいけない範囲が広がったことについては若干慌てましたけれど。それまでは開発リーダーとして開発スピードや品質に対して責任を負っていたのが、サービス全体の責任を負うことになり、リテンション(購読の継続率)やDAU(日々利用しているユーザー数)、売上などに責任を負っていくことになりましたから。

女性向け情報アプリ「LUCRA」
女性向け情報アプリ「LUCRA」

――売上を上げていくためのKPIは見えていましたか。

 LUCRAの事業モデルはグノシーやニュースパスとベースは一緒なので、どの数字を改善すれば良いか、優先度は社内にアセットがありましたので、ほぼ見えていました。

――チームメンバーともその点は共有できていた?

 KPIの分解や、どのKPIがどれくらいインパクトがあるかは共有できていました。だから、KPIがらみでメンバーが右往左往することはありませんでした。ただ、すごく細かな点――たとえば、ユーザー獲得の効率を見るときにCPIだけを見るのか、かけたコストに対してどれくらいユーザーが積み上がっているのかを見るのか、どの数字を見るのが正しいのか、といった調整はたくさんしました。

 一方、戦略のところでは議論がたくさんありました。ボトムアップで数字を上げるために何ができるかを細かく調整してきた一方、大きな戦略についてはリリースして1年ほど作らずぼんやりしていた感じです。現在は、数か月前に決めた大きな戦略について、メンバーとコンセンサスを取りつつあります。

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この記事の著者

市古 明典(IT人材ラボ ラボ長)(イチゴ アキノリ)

1972年愛知県生まれ。宝飾店の売り子、辞書専門編集プロダクションの編集者(兼MS Access担当)を経て、2000年に株式会社翔泳社に入社。月刊DBマガジン(休刊)、IT系技術書・資格学習書の編集を担当後、2014年4月より開発者向けWebメディア「CodeZine」の編集に参加。その後、資格学...

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