「シニア人材の活躍に関するアンケート調査」は、11月5日~17日の期間に、CHO協会員(人事部門の取締役・執行役員・部長・課長層の役職者)149名を対象に実施された。
50歳以上のシニア社員の数が、今後10年間でどのように変化すると予測しているかを尋ねたところ、「大きく増えていく」が42%、「少しずつ増えていく」が45%と、約9割の企業が「増えていく」と考えていることがわかった。
シニア雇用の現状を尋ねた質問では、定年年齢「60歳」が90%、「65歳」が9%。本人の意志があれば雇用継続が可能な上限年齢は、「65歳」が93%、「65歳以上」が2%、「上限は定めていない」が4%となっている。
雇用年齢の上限引き上げを検討しているかを尋ねたところ、「特に検討はしていない」(93名)がもっとも多く、「定年年齢の引き上げを検討中」(35名)、「継続雇用の上限引き上げを検討中」(20名)が続く。
定年後の職務の現状は、「定年前と同じ仕事に就くが、管理職からは外れるケースが多い」(65件)が最多で、「専門性を活かした仕事に就くケースが多い」(27件)がそれに続いた。
シニア社員の活用・活性化に対する課題認識と取り組み状況は、「優先度の高い人事課題と認識し、積極的に取り組んでいる」(46%)がもっとも多く、「優先度の高い人事課題ではあるが、それほど積極的には取り組んでいない」も34%に達している。
シニア社員の活性化策として実行している施策を尋ねた質問では、「(生活軸の)ライフプラン研修」(78名)、「(仕事軸の)キャリアプラン研修」(66名)、「上司による面談」(57名)、「早期退職制度・転身支援制度」(41名)の順だった。
シニア社員の現状についてどう感じているかを尋ねたところ、「個人差が大きく個々の社員によりまったく異なるため、何とも言えない」(64%)が最多で、「専門性が高く、モチベーションも高く、業務に取り組んでいる」「専門性は高いが、モチベーションが低く、停滞している」(どちらも14%)がそれに続いている。
定年前の年間給与を100とした場合の、継続雇用後の給与水準は、「70%未満」(64%)がもっとも多い一方で、「(定年前と)変わらない」(1%)や「職務に変更がなければ変わらない」(2%)は少数に留まった。また、「個人によって、あるいは次の職務によって大きく異なる」も14%に上っている。
定年後の社員に関する課題としては、「それまでと異なる仕事をさせるのが難しい」(73名)、「対象者のモチベーションが低下している」(60名)、「対象者が仕事や処遇に不満を抱いている」(53名)という結果となった。