認定制度始まって以来の大きな変更
「シスコ技術者認定」は1993年にスタート。当初エキスパートレベルのCCIE(Cisco Certified Internetwork Expert)から始まり、以降エントリーレベルのCCENT(Cisco Certified Entry Networking Technician)、アソシエイトレベルのCCNA(Cisco Certified Network Associate)、プロフェッショナルレベルのCCNP(Cisco Certified Network Professional)が追加され、シスコ製品ならびにネットワーク、セキュリティなどに関する知識・技術を認定してきた。たびたび制度を大きく改変してきたマイクロソフトのMCPや、MCPほどではないが認定条件(試験や研修)などを変更してきたオラクルのORACLE MASTERとは異なり、シスコ技術者認定には大きな変更がなく、最も“安定”した資格とも言われている。
しかし、2020年2月24日よりスタートする新制度では、2つの大きな変更が加えられるという。
まず、CCENT認定を2月24日以降取得することができなくなり、アソシエイトレベル(CCNA)とプロフェッショナルレベル(CCNP)との間に「スペシャリストレベル」が設定される。そして、各レベルにあるトラック(技術領域別の認定)が再編成されるほか、全試験で前提条件がなくなる。この1つめの大きな変更は、ネットワーク業界の最新テクノロジーに合わせ、エンジニアに必要とされるスキルが変更になったことによるものだ。
さらに、これらのネットワークエンジニア向け資格ラインナップ(インフラストラクチャ)に加え、ソフトウェア開発者向け資格ラインナップ(ソフトウェア)として「DevNet」が追加される。DevNetもアソシエイトレベルからエキスパートレベルまでの4段階で資格が認定される。これがもう1つの大きな変更である。クラウドの時代、ネットワークエンジニアにもソフトウェアのプログラミングが必要となる状況が増え、以前からシスコで提供していたDevNetに認定を追加したという。
注意したい点としては、2020年2月23日で現行制度の試験はすべて終了し、新制度の試験に切り替わることがある。現行制度で学習を進めている人は、切り替え前に必要な試験に合格し、認定を取っておこう。
なお、新制度・新試験スタートの前に、試験に対応するトレーニングも順次リリースされる予定。CCNAなどは日本語版も用意を進めているという。
次ページから、大きな変更の1つめ(CCENT・CCNA・CCNP・CCIEの制度変更)について詳しく見ていく。