同調査は2019年8月6日~12月17日に、同社のRPAシナリオ作成技術者養成研修に参加した法人担当者を対象に実施。総計で1588件(トライアル中:567件、導入初期:499件、拡大期:458件、その他:64件)の回答を得ている。
RPA活用について今後の展望を聞いたところ、「積極的に拡大していく」が56%、「効果を見ながら拡大していきたい」が36%と、計92%が拡大意向となった。また、RPA活用を促進するにあたり、取り組んでいることや工夫していることを複数回答で聞いたところ、「積極的に人材育成に取り組んでいる」が54%と最多。続いて、「従業員の理解促進」(34%)、「経営層の理解促進」(13%)と、社内の理解・協力体制づくりに取り組んでいることが明らかになった。
一方で、RPAの活用を阻害している要因について複数回答で聞いたところ、76%が「RPAスキルを持った人材育成が難しい」と回答。自由回答では、「通常業務と平行してRPAの習得をすることが難しい」など、兼任でRPAを担当しており時間が取れないといったコメントも多く見られたという。その背景として、RPAのシナリオ開発を主に担当する部署の56%が利用部門と回答。半数以上が利用する部門自らシナリオを開発しており、それがRPAスキルを持った人材育成をいっそう難しくしていると考えられる。
また、導入初期と拡大期(複数部門もしくは全社に展開して活用を推進している時期)を比較すると、活用が広がるにつれ、利用部門でのシナリオ開発比率が高まる傾向に。RPA活用の拡大には、利用部門が積極的にシナリオ開発にかかわることが重要だとヒューマンリソシアは推測する。
なお、シナリオ開発担当者については、導入期には1~2人が半数を占める。利用が進む拡大期では、10人以上シナリオ開発者がいるとの回答が合計で34%となった。利用部門の中でシナリオを開発できる人材を育成できるかが、RPA活用を拡大するポイントと考えられると、ヒューマンリソシアでは述べている。