GTCI 2020は、スイス・ダボスで開催されたWorld Economic Forum(世界経済フォーラム)で発表。国別ではスイスが1位。米国が昨年の3位から2位に上がった一方、昨年2位だったシンガポールが3位に下がった。日本は昨年の22位から3つ順位を上げ19位となった。
全体としては高収入国がGTCIの上位25か国を占め、そうした「人財先進国」が世界の他の国との格差拡大をさらに加速させていることを示した。この格差は人工知能(AI)の台頭と、業界間・部門間・国家間に生まれた関連デジタルスキル格差によって拡大しているという。
ただし、AIが新興市場に「跳躍」の大きなチャンスを与える可能性があることも判明。例えば、中国やコスタリカ、マレーシアなど一部の新興国がそれぞれの地域で「人財先進国」となり得るとした。また、ガーナやインドなどは、ここ数年で人財を活用・獲得・育成・維持する能力を向上させており、「人財向上国」の地位を獲得した。
都市別では、今年はニューヨークが1位となり、ロンドン、シンガポール、サンフランシスコ、ボストンがそれに続いた。東京は8位。ニューヨークの1位獲得は、この調査で評価される5つの柱のうち「Enable(活用)」「Attract(魅力)」「Grow(育成)」「Global Knowledge Skills(グローバルな知識スキル)」という4カテゴリーにおける実績によるもの。全体としては「未来への準備」に対して実証された能力を有する都市が上位にランクされており、AIやフィンテック(金融技術)、メッドテック(医療技術)などの分野での活動が上位5都市の人財パフォーマンスに有利に働いたという。