テクノロジーを使って既存のビジネスを変革していこうというベンチャー企業が次々に誕生している。その成功には、事業をテクノロジーで実装してくれる優れたエンジニアのトップ「CTO」の存在が欠かせない。しかし、優れたCTOを招き入れるのは容易ではない。そもそも、彼らに出会うことすら一般には難しい。インターノウスが運営するCTO/VPoE育成・転職支援サービス「OCTOPASS」が2月6日に開催したトークセッション「今求められているCTOとは?」では、優秀なCTOの獲得に成功したベンチャー企業のCEOが集まり、自社のCTOとどのように出会い、活躍してもらったかをパネルディスカッションで明かした。本稿ではその模様をお伝えする。
パネリスト
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樋口龍氏(株式会社GA technologies 代表取締役社長 CEO)
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長谷川晋氏(Facebook Japan株式会社 元代表取締役、現MOON-X Inc. CEO)
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加藤史子氏(WAmazing株式会社 代表取締役社長/CEO)
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尾形太陽氏(株式会社ookami 代表取締役)
モデレーター
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中舘宏輔氏(インターノウス株式会社 代表取締役 CEO)
【以下、敬称略】
リアルの体験をテックで進化させる4社
中舘:最初に皆さんの自己紹介をお願いします。
樋口:GA technologiesの樋口です。弊社は不動産×テックのPropTechという領域で事業を進めています。現在400名ほど社員がいるうち、エンジニアが30数%で、他には設計士や不動産の仕入れのプロ、大工までいます。私自身はエンジニアではなく営業マンとして仕事をしてきましたので、リアルな事業にテクノロジーを入れるという面でいろいろお話しができるかと思います。
長谷川:Moon-Xの長谷川です。去年の8月までフェイスブック ジャパンの代表取締役を務めていましたが、その後Moon-Xを立ち上げました。Moon-Xは日本のものづくりとテックの組み合わせをビジョンに掲げています。皆さんご存じの通り、日本で本当に良いものを作っている会社や人が多いのですが、情報発信が苦手であったりテクノロジーに弱かったりします。弊社はそうした良いものを作っている会社とコラボレーションして、グローバルスケールで情報発信を行い、日本のものづくりをもっと世界に羽ばたかせようと思っています。
加藤:WAmazingの加藤です。弊社は2016年7月に創業した3年半くらいの会社です。インバウンドの旅行客と日本の観光資源とをマッチングするBtoBtoCのプラットフォームサービスをやっています。皆さんにならうとTravel Techとなるでしょうか。弊社には多種多様なエンジニアがいますが、とりわけ外国人エンジニアが多いです。中国のWeChat(微信)上で動くアプリ「MiniApp」でミニプログラムを開発しようとすると、仕様書が中国語だったりしますが、中国人のエンジニアが開発を担当してくれています。
尾形:ookamiの尾形です。弊社はスポーツを取り上げるメディア「Player!」を運営する会社で、為末大さんとNewsPicksに支えられながら、「ナイキを越えるんだ」という意気込みで立ち上げました。Player!のユーザーは現在月間400万人ほどです。我々は特にマイナースポーツ、アマチュアスポーツを産業化していくことを目指し、まずは日本のスポーツメディアを再構築してやろうと、40名ほどでやっています。