このガイドラインは、ITコーディネータ(以下、ITC)の備えるべき実践力や仕事の進め方についてまとめ、公開しているもの。前バージョンの発刊以来5年を経過したことから、最近の経営スタイルやIT利活用環境といった変化への対応を主眼として改訂が実施された。
また、今回の改訂では、企業の経営者やIT経営推進担当者などITC以外の一般の人にも読んでもらえるよう、記述を平易化。名称も“ITコーディネータ・”プロセスガイドラインから“IT経営推進”プロセスガイドラインへ改めた。ITコーディネータ試験でも2017年8月の第36回試験から、バージョン3.0のガイドラインが対象になる。
バージョン3.0における主な改訂点は以下のとおり。
- 書籍タイトルを「IT経営推進プロセスガイドライン」に変更
- 想定読者に新たにIT経営を推進する団体、金融機関、公的機関、自治体などを追加
- 主語(実行者)は企業だが、経営者とIT経営推進者の役割を明確化
- ITCの立ち位置、役割(IT経営支援者)、専門性などを言及
- プロセスを領域、プロセス、ステップの3階層で分解
- プロセスの流れと章立てが分かるような目次構成
- 留意点として、特に強調すべき事項に絞って記述
- 概念までを含む成果物と成果を記載
そのほか、チェックリストとして使える付表や用語解説も新たに収録された。本ガイドラインはITコーディネータ協会Webサイトから購入可能。
今後、ITコーディネータ協会は本年度中に「ITC実務ガイド」を改訂するほか、方法論を記載した「IT経営アプローチ事例」と、ITC資格取得意欲のある人に向けた「ITCはここが違う(仮称)」を新規に作成し、来年度は「ITC実践ガイドライン」「IT経営のススメ」の改訂を予定している。