同調査は、企業の教育訓練費用などを調べる「企業調査」、事業所の教育訓練状況などを調べる「事業所調査」、労働者の能力開発状況などを調べる「個人調査」で構成。企業調査と事業所調査は、常用労働者30人以上を雇用している企業・事業所、個人調査は、調査対象事業所に属している労働者を対象に実施している。
調査期間は、令和元年10月1日時点の状況について、企業は令和元年10月1日から令和元年10月31日までの間に、事業所は令和元年10月2日から令和元年10月31日までの間に、個人は令和元年10月15日から令和元年11月16日までの間。調査対象数は、企業調査が7386企業、事業所調査が7138事業所、個人調査が2万3101人で、有効回答率は、企業調査が57.6%、事業所調査が62.1%、個人調査が50.9%である。
厚生労働省が挙げる調査結果のポイントは次のとおり。
【企業調査】
- 教育訓練費用(OFF-JT費用や自己啓発支援費用)を支出した企業は57.5%(前回56.1%)。
- 企業のOFF-JT費用の労働者1人当たり平均額は1.9万円(前回1.4万円)、自己啓発支援費用の労働者1人当たり平均額は0.3万円(前回0.3万円)。
- 事業内能力開発計画の作成、職業能力開発推進者の選任を行っている企業は概ね5社に1社。
【事業所調査】
- OFF-JTを正社員に対して実施した事業所は75.1%(前回75.7%)、正社員以外に対して実施した事業所は39.5%(前回40.4%)
- 計画的なOJTを正社員に実施した事業所は64.5%(前回62.9%)、正社員以外に対して実施した事業所は29.0%(前回28.3%)。
- キャリアコンサルティングのしくみを正社員に対して導入している事業所は39.4%(前回44.0%)、正社員以外に対して導入している事業所は27.0%(前回28.0%)。
【個人調査】
- OFF-JTを受講した労働者は35.3%(前回35.2%)。OFF-JTの受講率は正社員(43.8%)が正社員以外(20.5%)より高く、男性(42.6%)が女性(27.5%)よりも高い。最終学歴別では「中学・高等学校・中等教育学校」(27.6%)に対して「大学卒以上」(44.3%~61.9%)が高い。
- 自己啓発を実施した労働者は29.8%(前回35.1%)。自己啓発の実施率は正社員(39.2%)が正社員以外(13.2%)より高く、男性(35.8%)が女性(23.4%)よりも高い。最終学歴別では、「中学・高等学校・中等教育学校」(17.9%)に対して「大学卒以上」(43.1%~63.0%)が高い。
また、同調査の詳細結果(調査結果の概要(PDF))では、以下のような項目が63ページにわたってまとめられている。
1 企業調査
- (1) OFF-JT及び自己啓発支援に支出した費用について
- ① OFF-JTまたは自己啓発支援への費用支出状況
- ② OFF-JT及び自己啓発支援に支出した費用
- (2) 能力開発の実績・見込みについて
- (3) 労働者に求める能力・スキルについて
- (4) 事業内職業能力開発計画及び職業能力開発推進者について
- ① 事業内職業能力開発計画の作成状況
- ② 職業能力開発推進者の選任状況
- (5) 教育訓練休暇制度及び教育訓練短時間勤務制度の導入状況について
2 事業所調査
- (1) 教育訓練の実施に関する事項について
- ① OFF-JTの実施状況
- ② 計画的なOJTの実施状況
- (2) 人材育成について
- ① 人材育成に関する問題点
- (3) 労働者のキャリア形成支援について
- ① キャリアコンサルティングを行うしくみの導入状況
- ② ジョブ・カードの認知状況
- ③ 労働者の自己啓発に対する支援の実施状況
- (4) 労働者の職業能力評価について
- ① 職業能力評価の実施状況
- ② 職業能力評価における検定・資格の利用状況
- ③ 職業能力評価の活用方法
- ④ 職業能力評価に係る取組の問題点
- (5) 技能の継承について
- ① 技能継承の問題
- ② 技能継承の取組状況
3 個人調査
- (1) 能力・スキルについて
- ① 自信のある能力・スキル
- ② 向上させたい能力・スキル
- (2) 会社を通して受講した教育訓練について
- ① OFF-JTの受講状況
- ② OFF-JTを受講した者の延べ受講時間
- ③ 受講したOFF-JTの役立ち度
- (3) 自己啓発について
- ① 自己啓発の実施状況
- ② 自己啓発の実施方法
- ③ 自己啓発を行った者の延べ実施時間
- ④ 自己啓発を行った者の延べ自己負担費用の状況
- ⑤ 自己啓発にかかった費用の補助の状況
- ⑥ 自己啓発を行った理由
- ⑦ 自己啓発を行う上での問題点
- (4) これからの職業生活設計について
- ① 職業生活設計の考え方
- ② キャリアコンサルティングの経験
- ③ キャリアコンサルタントによる相談の利用の要望
- ④ キャリアコンサルタントに相談したい内容
- ⑤ 教育訓練休暇・教育訓練短時間勤務の利用