課題であった採用の効率化と高度化
――まず、児玉さんご自身の業務内容と現在の人事部の体制からご紹介をお願いします。
味の素の人事部は、「人財開発」「労政」「総務」の3つの機能を置いています。その中で私は人事部の人財開発グループに所属し、主に新卒採用と若手の育成・研修を担当しています。
――御社がオンライン面接を導入したのはいつですか。
21年卒からです。当社ではエントリーフィールドによって採用フローが若干異なりますが、Sales&Marketing、Corporateの場合は、エントリーシート(ES)と適性検査を通過すると、その後複数回の面接と続きます。基本的には学生1名に対して社員1名の対話を繰り返す形式を取っており、学生の皆様とは深く対話ができる仕様となっています。オンライン面接になってもこのフローは基本的に変わりません。
――21年卒からだとすると、オンライン面接に変えようと判断したタイミングは4月だったのでしょうか。
4月の緊急事態宣言以前から、その可能性があると認識していましたが、宣言以降は全面的に切り替えざるを得ないと判断しました。2019年の中途採用では1次面接をWebで行った実績がありましたし、新卒でも海外や地方の学生を対象とするオンライン面接は3年前から実施していて、オンライン面接の仕組み自体はできていました。とはいえ、新卒は数百人規模になるので、中途とは規模が違います。少々心配でしたが、やらなければならないと気持ちを切り替えました。
――ところで、御社ではWeb面接ツールとして「インタビューメーカー」を導入されたと伺っていますが、その理由は何でしょう? また、同ツールでは面接を録画できますが、どう活用していますか。
インタビューメーカーを導入した背景には、効率化と高度化の2つが採用における課題と感じていたことがありました。移動時間よりも一人ひとりと話をする時間を増やしたい。そして面接官が相手の話を引き出す力を高めたいと考え、そのための仕組みを整えようと導入しました。
面接の録画は数が多く、全部を見ることはできていませんが、1次、2次、3次それぞれのものをランダムにピックアップして確認しています。その中での気づきは、次年度以降のフローや面接官トレーニングの改良に役立てるつもりです。今年はオンラインで面接を行うこともあって、面接官それぞれの目線をそろえるためにも面接官トレーニングには力を入れました。トレーニングは面接官からも好評で、今年度よりもブラッシュアップして実施したいと考えています。