今月の注目書籍
3位に躍り出た『カルチャーモデル 最高の組織文化のつくり方』。リモートワークの普及などで企業のチームビルディングが課題とされる中、カルチャー構築はますます重要度を増しているようである。同書は、そもそもカルチャーとは何かから説明を始め、カルチャーのつくり方、社内外への浸透のさせ方へと説明を進めていく。ゴールはあくまで事業成長にあり、人間関係を良好にすることだけにないところもポイントだ。
10位は9月の新刊『男性の育休 家族・企業・経済はこう変わる』。若手男性社員の8〜9割が取得を希望しているという男性の育休だが、実際には7%ほどしか取得されていないという。しかし、多様な働き方が広まる中、男性育休義務化も認められる方向にあるのではないか。その点で、本書の第3章「男性育休が企業にもたらすメリット」と第4章「なぜ今、男性育休『義務化』なのか」、第5章「義務化で変わる男性育休」は、どの企業の人事も目を通しておきたいだろう。
18位の『ルポ 技能実習生』は、マスコミなどを通じて流布している、劣悪な環境下で働かされる現代の奴隷制度というイメージだけに偏らず、丹念な取材のもとに技能実習生の実態を明らかにしている良書。借金をし、ブローカーに法外な手数料を支払ってまでなぜ彼らは日本にやって来るのか。そうした背景まで描いた本書は、実際に技能実習生を受け入れたり、受け入れを検討していたりする企業の人事は特に必読といえよう。
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1位から50位までの全体ランキングについては次のページに掲載している。なお、前月順位についてはデータ取得の方法・仕様により変動する場合がある。