クラウド人事労務ソフト「SmartHR(スマートエイチアール)」を運営するSmartHRは、イオンとグループ包括契約を締結した。
2020年4月、イオンは経営資源(ヒト・カネ)を直接部門へ集中すべく、人事オペレーション変革プロジェクトを開始した。本プロジェクトを進める中で、システムへの入力・紙での保管・店舗などへの発送・行政へ書類提出のための移動時間がかかっていた入社手続き、身上変更・年末調整などに着目。そこで、SmartHRを使用して各種手続きのペーパーレス化を実現し、人事部門スタッフの生産性向上、従業員の手続きの効率化を図った。1つの窓口でどこからでも手続きが完了する、企業と従業員との新しいコミュニケーション方法の実現可能性を感じて、包括契約に至ったという。
SmartHR導入により、従業員本人はスマートフォンを活用して人事情報を直接入力し、人事担当者は受け取ったデジタル情報のまま、行政手続きなどに活用できる。企業内の手続きを時間や距離の制限なく行える。
イオン株式会社執行役 人事・管理担当 兼 リスクマネジメント管掌の渡邉廣之氏は次のように述べている。
「2018年に私がイオン株式会社 執行役に就任した際、会議室の利用や休日出勤の申請、給与明細配布など、全ての手続きを紙で行っていることにバックオフィス業務のデジタル化の遅れを感じました。とりわけ煩雑な手続きが発生している人事手続きでの手間を減らすため、人事オペレーション変革プロジェクトを立ち上げました。その中で、人事業務に関してはデバイスを活用し、最少のアクション数で業務を行えることの重要性を重視しています。SmartHRなどの新しいサービスを導入し、グループ各社がより良い人事労務環境の構築を推進できるよう、支援していきたいと思います。
今後は、個人情報を1箇所に集約し、1つの申請口から人事労務に関わる全ての申請が可能な状態を作る構想を練っています。パートタイマーやスマートフォンを持っていない方を含め、今回のプロジェクトを進めることで、当社と類似の規模・業態企業にとっての事例となり、業界の基準を上げていけるよう尽力します。このたびの包括契約を通じて、SmartHRにはイオン内で当たり前となっている固定概念に対し、より新しい風を吹かせていただけることを期待しています」(渡邉氏)