ARISE analyticsは、コロナ禍で多様化する働き方を支えるオフィスの在り方・役割を再定義し、オフィスの改修を実施した。また、多くの従業員がリモートワークを余儀なくされる中、社員同士のコミュニケーション不足を解消するための新たなコミュニケーション活性化施策を導入するとともに、社内に蓄積されている人事データを活用して従業員のメンタルや勤務・業務実態の見える化を推進。これにより、従業員に対して環境に応じた最適な働き方の提案・支援、エンゲージメント維持・向上を目指す。
①新たなオフィス環境について
同社には、300名を超えるデータサイエンティストが所属。現在は約60%の従業員がリモートワークを実施し、担当プロジェクトや業務・役割ごとに最も効率の良い働き方の選択を推奨している。例えば、1人で集中して行う業務はリモートワークを、オンボーディングやブレインストーミング、画面を共有しながら行う開発レビューなどはオフィスワークを推奨している。
そのため、今回のオフィス改修では、安心安全であることを前提とし、コミュニケーションが取りやすいこと、雑談を含め新たなアイデアが生み出しやすい環境であることを追求。また、くつろげるスペースや集中できるスペースが欲しいという社員の声も反映し、それぞれのシチュエーションに合わせたエリアを設けている。
- ARISE café
- ソーシャルディスタンスが保たれ、コミュニケーションが生まれやすいヘキサゴンテーブルを採用。また、窓際には集中スペースとして、十分なスペースと仕切りによって業務に集中できる環境を整備。リラックス効果や集中力を高めるため、観葉植物をふんだんに配置している。
- ARISE library
- 社員の自己研鑽を支援する制度の一つである書籍・論文購入全額補助を活用して購入された書籍や役員から寄贈された書籍が並ぶ。業務に役立つ書籍・論文から人生を彩る趣味に関する雑誌まで、あらゆる書物が揃っている。
②新たなコミュニケーション活性化施策について
リモートワークが長期化する中、社員同士のコミュニケーション不足が課題として挙がった。特に、コロナ禍で入社した社員においては、他の社員とのコミュニケーションが取れないことが大きな課題となっていた。そこで、これら課題を解決する新たな施策を企画し、2020年9月から実施している。
- おせっかいファミリー
- 在籍期間が長く会社に詳しい社員や社会人経験が豊富な社員がおせっかいファミリーのメンバーとなり、新入社員や既存社員と1対1でコミュニケーションを取る場を設けている。社員と会社の相互理解を深め、新たな価値を生み出せるような関係作りをする取り組み。
- Welcome to ARISE シャッフルランチ
- 新入社員1名を既存社員3名で囲んで、Zoom上でランチを開催。毎回メンバーをシャッフルするため、既存社員同士のコミュニケーション活性化にも役立っている。
- 体験した新入社員は、「コロナで出社が制限されている中でも、会社の雰囲気や会社にどのような方々がいるのか理解できた」「コロナ禍で出社している人が少なかったので、雑談などする機会もあまりなかったが、先輩方とフラットに話す機会が得られて本当に良かった」「他の部門の方の話を聞いて会社への理解も深まった」「会社全体の雰囲気や文化なども何となく伝わってきた」とコメントしている。
③従業員のメンタルや勤務・業務実態の見える化・データ活用について
同社では、毎月従業員向けにパルスサーベイを行っている。今回は、それらのデータを活用しネガティブな気持ちの変化があった場合にアラートが上がる仕組みを構築。また、勤務実態やオフィス出社状況などのデータもリアルタイムに見える化し、サーベイ結果と実態を掛け合わせてみることでその要因を探り、改善に向けたアクションをいち早く取れる仕組みも構築している。リモートワーク下でも従業員の健康・生活・仕事の状況を正確に把握することで、より働きやすい環境づくりを目指している。
今後は、Slackやメール、ZoomやTeamsによる打ち合わせなどのデータを活用し、社内コミュニケーションの見える化や目標管理、教育・トレーニング履歴などの見える化も予定。これにより、リモートワーク下での新入社員のフォロー状況や既存社員の育成状況などを把握し、マネジメントに活かしていく予定だという。