paizaは、ITエンジニア向け転職サービス「paiza転職」を利用中のIT企業72社に対して、11月5日~11月18日に「IT企業のリモートワーク実態調査」を実施し、結果を発表した。
調査対象IT企業の全社員を対象とした質問
約70%の企業が、「全社員」および「ほとんどの社員」がリモートワークを実施していると回答。IT企業にとって、リモートワークがごく一般的な選択肢となりつつあることが読み取れる。
約70%の企業が、リモートワークを実施するかどうかは社員が自分で判断していると回答。IT企業の働き方の柔軟性の高さがうかがえる。
半数近い企業がリモートワークの補助を実施していると回答。補助の内容は、設備の購入や通信費、電気代の補助として月5000円程度を出している企業が多い。
約57%の企業が新型コロナウイルス終息後もリモートワークを実施予定。ただし、回答の詳細を見ると、現状リモートワークを実施している企業の中にも、今後については「まだ決まっていない」と回答している企業が複数見られた。終息後は、「対面を重視する」など企業の考え方などによって対応が分かれると予想される。
調査対象IT企業のITエンジニアを対象とした質問
ITエンジニアのリモートワーク実施率は、「すべてのエンジニア」「ほとんどのエンジニア」を合わせて約73%。実施できない理由としては、「お客様の都合に合わせる必要」や「環境が整っていない」「プロジェクトごとの都合」などが挙げられた。
約34%の企業が、フルリモートもしくは、ほぼフルリモート(「まったく出社しない」、出社は「月1~2回」)と回答。また、出社が週1回以下の企業が約63%と非常に高い数値となった。多くの企業のITエンジニアは週1回以下しか出社しておらず、ITエンジニアとリモートワークの親和性の高さがうかがえる。また、企業の個別コメントを読むと「会社から近い人は週の半分出社で、その他社員はリモートワークなど、人による差がある」という回答もあった。
IT企業であってもITエンジニア向けの特別な補助制度を実施している企業は、約19%にとどまった。
「リモートワークを導入していないので、希望者は面接前にお断りする」と回答した企業は約12%。ほとんどの企業においては、リモートワークを活用した働き方について、採用時に何らかの相談ができる状況にある。
約33%の企業は、リモートワークが可能であることを「アピールしたくない」と回答。理由は、「対面でのコミュニケーションを大事にしており、フルリモートを希望する方だと志向性が合わない」「リモートワークが目的の人が応募してくるのを避けたい」などが挙げられた。採用の場面での安易なPRは、ミスマッチにつながる懸念があると考えていることが分かる。