レバテックが運営する、ITエンジニア専門新卒向け就職支援エージェント「レバテックルーキー」は、新卒エンジニアを採用する企業の新卒採用担当者244名を対象に、22卒エンジニア採用意識調査を実施した。集計期間は、2021年1月15日~2021年1月21日。
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、全体の20.5%が、新卒採用時期は例年よりも早くなったという結果になった。採用終了目標時期は、全体の約25%が2021年4月までと回答。また、採用時期が早期化した企業のほとんどが、例年よりも1~3か月早まったことがわかった。
一方で、採用時期が例年よりも遅くなったと回答したのは、全体の23.8%。そのうち約7割が1~3か月、約2割が6か月以上採用を延期している。このような晩期化の要因としては、対面での選考からオンライン選考への移行や社内体制の見直しなどが考えられる。
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、新卒採用を行っている企業の8割がオンライン選考を導入していることが明らかになった。また、オンライン選考のメリットの1位には、「採用予算のコストが削減できた(34.0%)」が挙げられた。さらに、オンライン選考を導入したことで、約4割の企業が例年よりも応募者の数が増えたと回答。従来の採用よりも効率的になっていることが見受けられる。その背景には、選考のオンライン化によって、地方学生の応募増加や説明会、座談会などの参加障壁が下がったことが考えられる。新型コロナウイルス収束後もオンライン選考を継続する企業は多いだろう。
オンライン選考のデメリットとして、「候補者の雰囲気や表情が伝わりにくい(42.6%)」が1位となった。また、オンライン選考実施において最も不安だったことは、「対面したときのギャップ(22.3%)」。メラビアンの法則[1]では、コミュニケーションにおける相手への印象を決定する情報として、「視聴情報(55.0%)」、「聴覚情報(38.0%)」が大半の割合を占め、「言語情報(7%)」が、最も少ないと提唱されている。選考のオンライン化により、言語情報以外の相手の表情や声のトーンといった、伝わりづらい部分が大きなデメリットとして考えられる。
コロナ禍での22年新卒採用において、21卒採用と比べて採用人数が減ったと回答したのは全体の23.8%。おおよそ4社に1社が、採用人数を削減している。また、全体の33.6%の企業が、採用ターゲットとして「理系・情報系学生の割合を増やした」かつ「理系・情報系学生に絞った」と回答した。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、ITエンジニア採用は、理系・情報系のアカデミックなプログラミング学生経験がある学生や、スキルの高い学生に需要が傾いていったことが明らかになった。
注
[1]: 1971年にアメリカの心理学者アルバート・メラビアンが提唱した概念で、話し手が聞き手に与える影響を、研究と実験に基づいて数値化したもの。「言語情報=Verbal」「聴覚情報=Vocal」「視覚情報=Visual」の頭文字を取って「3Vの法則」ともいわれている。