学情は、22卒採用の計画に関して、企業の人事担当者にアンケートを実施した。調査期間は2021年1月5日~1月31日。2394人から回答を得ている。
22卒の採用数については、「前年並」が57.8%で最多。「増やす」は11.8%で、21卒(新型コロナウイルス感染拡大前の2020年1月に調査を実施)よりも、6.0ポイント減少した。「減らす」が11.2%で、「増やす」をわずかに下回った。採用数を減らす企業もあるものの、「増やす」企業が「減らす」企業をわずかに上回っていることや、「前年並み」の回答が約6割を占めていることから、企業の新卒採用ニーズは底堅いと考えられる。
上場企業では「増やす」の回答が14.2%で、非上場の「増やす」の回答11.4%を2.8ポイント上回った。上場企業のほうが、非上場企業よりも、採用を「増やす予定」の企業が多いことが分かる。
採用数を増やす理由は、「業務拡大」のためが28.3%で最多となった。コロナ禍でも事業や業務を拡大している企業が、採用数を増加させていることが分かる。21卒採用と比較すると、「中・長期経営計画に基づき」(22.6%)が4.9ポイント増加。「(年齢等)人員構成適正化」(20.5%)も2.6ポイント増加した。コロナ禍でも採用数を増やす企業は、「中長期的な成長のため」という観点で採用を増やす企業が多いと推察される。「前年度の採用で採用予定数に達しなかったため」や「退職者の増加による補充」は、昨年よりも減少した。
採用数を減らす理由は、「余剰人員の是正・人員構成最適化」が29.9%で最多。次いで、「業績不振のため」21.9%と続く。「業績不振のため」は、21卒採用(3.8%)と比較すると18.1ポイント増加しており、新型コロナウイルス感染拡大に伴う業績不振が、22卒採用の採用数に大きく影響しているようだ。