マイナビは、企業の中途採用担当者1333名を対象に実施した「企業の雇用施策に関するレポート(2021年版)」の結果を発表した。調査期間は2021年1月14日~1月20日。
副業・兼業人材を社外から受け入れている企業は31.8%で、自社に所属する社員の副業・兼業を認めている割合(47.8%)に比べると、社外からの受け入れはまだ進んでいないことが分かった。業種別では、「社員の副業・兼業を認可している(自社内の認可あり)」の割合が高かったのはフードサービスで77.8%、「社外からの受け入れ」は医療・福祉・介護が39.1%で最も高かった。
また、社外からの副業・兼業社員の受け入れが多い職種は、「営業」(32.1%)、「管理・事務」(31.6%)、「ITエンジニア」(27.1%)がトップ3だった。
社外から副業・兼業人材を受け入れる際の雇用形態は、「正社員」が61.6%で最も多く、次いで「パートまたはアルバイト(59.2%)」「契約社員(34.9%)」となった。「業務委託・請負契約」は30.7%だった。業種別に見ると、正社員雇用の割合が高いのは「IT・通信・インターネット(86.7%)」「メーカー(71.7%)」。パートまたはアルバイトの割合が高いのは「医療・福祉・介護(84.6%)」「流通・小売(80.6%)」だった。
2021年4月に施行される高年齢者雇用安定法(70歳就業法)の改正において、何らかの対応をする(「検討中」を除く)と回答した企業は47.1%[1]で半数に満たなかった。上場企業は60.5%が対応予定だが、未上場企業は41.6%だった。
昨今注目されている「従業員シェアリング[2](雇用シェア・ワークシェア)」を活用したいとした企業は70.4%[3]だった。その内、社内への受け入れを活用したい企業は62.0%、社外への出向を活用したい企業は48.6%だった。活用したい理由を自由回答で聞いたところ、「能力の高い人材であれば、多様な形で受け入れたいから」「雇用の流動化を図りたい」「これからの時代にあっている」などの声が挙がった。
注
[1]: 「定年を延長する(16.9%)」+「定年を撤廃する(8.9%)」+「再雇用制度を手厚くする(21.3%)」の合計。
[2]: 別企業から一時的に人材を受け入れる、または別企業に一時的に社員を出向させる仕組み。
[3]: 「社員の受入れ及び出向どちらも活用したい(40.2%)」+「社員の受入れは活用したいが、出向は活用したいと思わない(21.8%)」+「社員の出向は活用したいが、受入れは活用したいと思わない(8.4%)」の合計。