ラーニングエージェンシー(旧トーマツ イノベーション)は、同社が開催した研修(会場型・オンライン型)を受講した2021年度入社の新入社員4535人を対象にキャリアに対する意識調査を行い、その傾向をまとめた。調査期間は、2021年4月2日~4月16日。
今の会社での勤続意向について尋ねたところ、56.5%の新入社員が「できれば今の会社で働き続けたい」と回答し最多となった。昨年、新型コロナの影響で新入社員の安定志向が強まり、5年ぶりに大幅増加が見られたが、今年は2.9ポイント減少し2017年と同水準にまで戻っている。
キャリア形成支援について会社に期待することを尋ねる質問では、「上司に相談できる機会をつくってほしい」と回答した新入社員が2年連続で増加し、49.7%で過去最高となった。コロナ禍前の2019年と比較し11.0ポイントの大幅増加。また、「上司以外の社員に相談できる機会をつくってほしい」と回答した割合も、過去最高の31.1%となり、昨年に引き続き、多くの新入社員が「相談の機会」を求めていることが分かった。
将来会社で担いたい役割を尋ねた質問では、「組織を率いるリーダーとなり、マネジメントを行いたい(管理職)」と回答した新入社員の割合が26.9%となり、2年連続で増加となった。また、「まだはっきりしておらず、今後決めていきたい(22.1%)」と回答した割合は、3年ぶりの減少となっている。
続いて、「組織を率いるリーダーとなり、マネジメントを行いたい(管理職)」と回答した新入社員を対象に、リーダーになりたいと考えた理由を尋ねたところ、「仲間と仕事をするのが好きだから」と答えた割合が29.7%で過去最高となった。一方で、「将来経営層として会社を引っぱっていきたいから」と答えた割合は25.2%となり、調査開始以降最も低い割合となっている。
同調査の結果を受け、ラーニングエージェンシーは次のように述べている。
「今年の新入社員は、就職活動という社会に出る前の過渡期をコロナ禍で過ごしたことにより、キャリアに対する意識に大きな影響があらわれています。人とのつながりが希薄になる期間を経て、より「コミュニケーションの機会を重視する」のが、今年の新入社員の特徴と言えそうです。新入社員を受け入れる企業には、意図的にコミュニケーションの機会をつくり、一人ひとりのキャリアに対する意識を確認することが求められます」(ラーニングエージェンシー)