freeeは、企業で人事労務に関わっている人を対象に年末調整における電子申告義務化に関するアンケートを実施し、義務化認知の実態などを調査した。調査期間は2021年3月23日〜26日で、有効サンプル数は1059。
年末調整の法定調書の電子申告義務化は、2020年4月の年度からすでに始まっており、1億円を超える資本金で100枚以上の支払調書がある企業が対象となる。該当する企業は約3万社あるといわれている。
freeeは、調査結果について以下のように述べている。
(1) 2021年1月以降に法定調書の提出枚数が100枚以上の場合、電子申告が義務化されたのを知っているか、との問いに対して、知らなかったという回答は全体で65.3%となり、義務化開始後も認知が広まっていないという課題が明らかになった。
また、このうち代表者、役員でも65.4%、部長・課長でも47%が知らないと回答しており、決裁に深く関与する層でも認知が広まっていないことが分かった。
(2) 2022年1月末までの法定調書の申告について、自身が所属する企業が電子申告義務化の対象であるか、という問いに対しては、42.9%がわからないと回答した。
(3) 2021年1月末締切の税務署への提出書類の申告方法については、17%が電子申告システムを利用していると回答。また同時期の市区町村への書類提出についても電子申告システムを利用しているのは14.5%で、いずれも2割に達していない。個人の確定申告の電子申告利用は進んでいる傾向にあるが、法人の電子申告利用は進んでいない課題が改めて浮き彫りになった。
(4) 一方で電子申告を利用した人のうち、「大変スムーズに申告できた」「スムーズに申告できた」と電子申告利用にポジティブな回答は72.9%にのぼり、認知が広まれば利用が定着する素地があることが見て取れた。