ログシーは、昨今の働き方の多様性に加え、新型コロナウィルスによってますます先行きが不透明となる中、企業における方向性の統一が図りづらくなったことを鑑み、組織強化のための「クレド研修」をリリースした。
2000年代以降から注目されるようになったクレド(Credo)。その背景には、食品偽装など相次いで起こる企業の不祥事がある。コンプライアンスの強化を目的に企業は従業員に正しい判断で行動ができるよう、その指針となるクレドが求められるようになった。
また、方向性を示すはずの企業理念やMission/Visionには、存在していても従業員に伝わりづらく、経営層もうまく伝えられないという課題がある。社内共有のためのコミュニケーションツールは以前に増して導入している企業は多いが、ツールだけで指針を従業員に正しく浸透させ、指針に基づいて日々の業務を通して従業員に体現してもらうことは難しい。企業理念が伝わらないために共通言語を持たない従業員が方向性を見失い、現場対応に苦慮するという問題が発生している。
クレドは、こうした問題を解決する一つの方法となる。クレドとは、あるべき組織像や人間像を言語化したもので、従業員一人ひとりが心がける「信条」や「大事にしていること」「行動指針」を指す。組織(チーム)が進むべき道を示す、“コンパス”のようなものともいえる。
現場オペレーションで活用できるクレドを作成する研修は、単にクレドをつくる研修ではない。以下5つの視点を盛り込みながら、様々なレイヤーで自らの組織を考え、クレドの作成を通して方向性を統一する。ログシーは、このプロセスこそが組織を強化していくと述べている。
- ①良い組織とは? 良いリーダーとは? 各階層の役割理解など、組織の在り方について理解を深めながら進める。
- ②組織診断アセスメント「ROG Check(ログチェック)[1]」を活用し、自社に迫る危機を受講者に共有、分析しながら共通認識をもつ。
- ③グレイナーの組織成長モデル5つの危機、5つの階層、エンゲージメントを構成する5つの要素、従業員満足度を構成する5つの要素、SDGsの5つの特徴……といった5つの視点を入れながら横断的にクレドを構成する。
- ④既存の作業マニュアルや企業理念、Mission/Vision/Valueと照らし合わせ、連動しながらクレドを作成する。
- ⑤完成したクレドを携帯できるサイズのカードにし、全従業員へ配布し、現場で役立てる。
注
[1]: 同社が開発した、エンゲージメントと従業員満足度が同時に測れる組織診断。