パーソルキャリアは、同社が運営する転職サービス「doda(デューダ)」において、22~59歳のビジネスパーソン5003人を対象に「転職したい会社」を調査し、「doda転職人気企業ランキング2021」を発表した。調査期間は2021年2月10日~2月16日。
同ランキングの結果について、パーソルキャリアは以下のように述べている。
2021年の転職人気企業ランキングでは、前年に引き続き「トヨタ自動車」が首位を獲得した。新型コロナウイルス感染症の影響で世界的な自動車の販売不振が続く中、先ごろ2020年のグループ販売台数世界一を達成し、いち早く復活の兆しを見せた同社は、前年の4605ポイントから5327ポイントに大幅アップし、2位以下を大きく引き離した。さらに、ランキング上位には、グローバル企業や各業界を代表する日本の大手企業が数多くランクインしており、「ソニー」(3位)は順位こそ前年と同じだったものの、ポイントは1954から2460へと大幅にアップしている。
新型コロナウイルス感染症の拡大で雇用が不安定になった影響からか、1位の「トヨタ自動車」には「安定している」「コロナ禍でも業績がいい」「将来性がある」「日本を代表する大企業だから」といった安心や安定、将来性を求める意見が多く集まった。
新型コロナウイルス感染症の影響で人々の消費行動が変わり、企業によって業績の明暗が分かれる中、ランキング結果にも変化が表れた。巣ごもり需要からゲーム「あつまれ どうぶつの森」などの販売好調が続き、2021年3月期連結決算では12年ぶりに過去最高益を更新した「任天堂」(7位)は、前年15位から8つ順位を上げてトップ10入りした。職種別ランキングでも同社は10職種のうち7つの職種でトップ20にランクインしており、職種を問わずさまざまな層の支持を集めている。
また、コロナ下でテレワークやオンラインサービスが普及し、企業のIT化が加速している中、IT・通信の分野からは「Sky(スカイ)」(221位)、「三菱総合研究所」(223位)、「ラクス」(279位)、「沖縄セルラー電話」(285位)、「日本総合研究所」(296位)、「パランティア・テクノロジーズ」(297位)の6社が前年圏外から新たにランクインした。総合ランキング300社のうちIT・通信は19社、その中で6社が新たな顔触れとなり、大手のシステムインテグレーターだけでなくクラウドサービスを提供する新興企業もランクインしている。
新型コロナウイルス感染症は、私たちの生活環境を大きく変えた。都心部を中心にテレワークの導入が進み、働き方改革が一気に進んだ一面もあったが、同時に、働くことの意味や価値観をあらためて考えるきっかけにもなった。2021年のアンケート調査では、「新型コロナウイルスの感染拡大を機に、転職したい(働いてみたい)企業を選ぶ理由は変化したか?」という質問に対し、全体では31.1%が「変化した」と答えている。年代別(20代・30代・40代以上)、男女別で見ると、「変わった」と答えたのは20代が37.9%で一番多く、男女別では女性のほうが多い結果となった。特に「20代 女性」では、39.6%と、約4割が変わったと答えている。