転職サービス「doda(デューダ)」は、22~59歳のビジネスパーソン5003人を対象に「転職したい会社」を調査し、「doda転職人気企業ランキング2021」としてまとめた。さらに、doda「女性の転職・求人情報Woman Career(ウーマン・キャリア)」では、女性の回答をまとめ、「女性の転職人気企業ランキング2021」として公開した。
1位に輝いたのは「グーグル」で、2位に圧倒的なポイント差をつけている。投票理由には「グローバルなIT企業で働いてみたい」「ホワイト企業と聞くし、世界を代表する大手企業がどんな感じなのか経験してみたい」「成長性のある企業だと思うから」といったコメントが並んだ。グローバルに成長を続ける将来性に魅力を感じる人が多い。
2位の「トヨタ自動車」は、「日本を代表する大企業」「コロナ禍でも工夫をして売り上げや業績を拡大していて、活気がある」「メディアで見る社長や経営陣が魅力的」など、ブランドはもちろん、会社の挑戦や取り組みにも好感を持つコメントが多く見られた。
3位の「楽天」は、「いろいろなことにチャレンジして成長している会社、自分も成長できそう」「次々と新しいサービスを生み出す現場を見てみたい」など多角的な事業の広がりへの期待を寄せるコメントが挙がった。
4位にランクインした「ソニー」は昨年より7ランクアップ。2021年3月期の決算では過去最高益、特にゲーム、音楽、映画などのエンタメ事業が好調で、人々の注目を集めた。
新型コロナウイルスの影響を受け、人々の生活様式が大きく変わり定着した2020年~2021年。調査を通じて、働く人々の価値観や企業を見る観点にも変化があったことが分かった。「新型コロナウイルスの感染拡大を機に、転職したい(働いてみたい)企業を選ぶ理由は変化しましたか?」という質問をしたところ、女性の回答者のうち、約3割が「変化があった」と回答した。中でも、「コロナ下でも安心して働けそう」「安定して長く働けそう」「柔軟な働き方ができそう(テレワークやリモートワークなど)」という点をより重視するようになった、という傾向が見えた。
フリーコメントでも「業績がよく今後も安定しそう」「有名企業なので、安心感がある」という意見が目立ち、コロナの影響で先行きが不透明なことに対して不安を感じている人は少なくない。
2021年は、コロナ禍の人々の生活様式の変化により、ランキングにも変化が見られた。変化があった業界の一つが食品メーカー。自粛要請により外食が減り、自宅での食事がより生活の中での大きな楽しみの一つになったことから、ランクアップしたと考えられる。また通信大手はコロナ禍の生活スタイルの変化によって、利用料金を見直す人が多かったことに加え、大手キャリアから価格帯を一新した低価格プランの発表が相次いだことが影響したといえる。
個社ごとに見ると、任天堂は、一昨年は50位圏外だったが、去年は26位、今年は13位と、この2年で人気が急上昇している。“巣ごもり需要”で、ゲーム機「Nintendo Switch」や人気ソフト「あつまれ どうぶつの森」の販売が好調となり、2021年3月期決算の営業利益と純利益は過去最高を記録するなど、広く支持されていることから順位を上げたと考えられる。2020年から21のランクアップをみせたタニタは、コロナ禍で意識を向ける人が増えた「健康をつくる」商品やサービスを展開していることから、「社員の健康や考え方を尊重していそう」「ワークライフバランスがよさそう」などのコメントが寄せられた。その他にも、外出自粛の期間中に、インターネットでの買い物需要を支えたZOZO、家で過ごす時間が増え、家具やインテリアを充実させたいという需要が伸びたことを背景に、ニトリもランクアップした。
また、いち早い在宅勤務への切り替えの実施や、マスク・感染予防対策物資の生産や提供、寄付などの対応が話題になった企業も、コロナ下での「働きやすさ」「迅速かつ柔軟に対応する姿勢」「貢献性」が評価されたとみられ、カルビー(33位→23位)、ソフトバンク(18位→15位)などが順位を上げた。