ウォンテッドリーは、同社が運営するビジネスSNS「Wantedly」ユーザーの中で、2021年8月13日から8月19日にかけ1191名の働き手を対象に、また企業側の声を集めるべく2021年8月18日から8月24日にかけ148社の人事・採用担当者を対象に「デジタル人材[1]に関する調査」を実施し、結果を発表した。
企業側のデジタル人材に関する声
※デジタル人材に関する調査について、148社の人事・採用担当者が回答。
148社のうち、69%にあたる102社がデジタル人材が不足していると回答した。
デジタル人材が不足していると回答した102社に対して、不足人数を聞いたところ、1〜5人(62%)という回答が最も多く、29%の企業が6人以上デジタル人材が不足していると回答した。また、企業の社員規模別では、企業が大きくなるにつれて不足人数も比例して大きくなっており、企業規模にかかわらず一定割合のデジタル人材が不足しているという傾向も見られた。
デジタル人材が不足していると答えた企業に対して、特にどんな職種の人が不足しているか質問したところ、1位はエンジニア(67%)、ついで2位はプロダクトマネージャー(53%)という結果になった。
デジタル人材が不足していると答えた企業に対し、デジタル人材に期待することを聞いたところ、1位は既存サービス改善(63%)、ついで2位は新サービス開発(59%)という結果になった。
企業の雰囲気[2]を、デジタル人材が充足している企業と不足している企業に分類して比較すると、最も差が大きかったのが「新しいスキルを磨くことが奨励されている(12%差)」。次いで「女性が活躍している(10%差)」「意思決定がボトムアップだ(8%差)」「意思決定スピードがはやい(7%差)」という結果になった。
企業の雰囲気について、デジタル人材充足企業が不足企業と比較して高ポイントを示す項目を設立年数別に比較してみると、「新しいスキルを磨くことが奨励されている」は設立年数が長いほど高いという結果になった。一方、デジタル人材充足企業が高ポイントを示す他の項目に着目すると「意思決定がボトムアップだ」「意思決定スピードがはやい」「仕事を楽しんでいる社員が多い」「裁量が大きい」といった項目については、設立年数が長くなるにつれてポイントが低くなるという結果が得られた。
働き手側の声
※351名のデジタル人材を含む、1191名の働き手が働き方について回答
働き手側に「どんなカルチャーの会社に魅力を感じるか最大3つまで教えてください」と質問したところ、デジタル人材、非デジタル人材ともに「仕事を楽しんでいる社員が多い」が1位だった。デジタル人材の2位は「新しいスキルを磨くことが奨励されている」、非デジタルは「多様な価値観を受け入れる」が続き、3位はどちらも「社内の風通しがよい」がランクインした。
「今いる会社を他の人に勧めるかどうか10段階で教えてください」という問いへの回答を元に回答者を「9〜10点:推奨者」「7〜8点:中立者」「1〜6点:非推奨者」と分類し、デジタル人材、非デジタル人材それぞれの現職に感じる満足点、不満点について比較した。
デジタル人材の推奨者と非推奨者がそれぞれ満足・不満に感じる点について分析をしたところ、推奨者が満足に感じる点は「会社のビジョン・ミッション」「働き方の柔軟性」「行動指針・カルチャー」が98%で同率1位。一方で、非推奨者が一番不満に感じる点は「成長できる環境かどうか(69%)」という結果になった。
同様に非デジタル人材についても現職で満足・不満に感じる点について分析してみると、推奨者が満足に感じる点はデジタル人材と同じく「会社のビジョン・ミッション」。一方、非推奨者が不満に感じる点は「行動指針・カルチャー(72%)」となった。
魅力を感じる会社のカルチャー別に平均年収を算出したところ、「裁量が大きい」ことに魅力を感じると回答した層が最も平均年収が高いという結果になった。「裁量が大きい」と答えた層の平均年収を100としたとき、「意思決定スピードがはやい」が92で2位、「挑戦することが評価される」が88で3位と続いた。
注
[1]: デジタル人材:同調査においては、エンジニア、デザイナー、Webディレクター・プロデューサー、データサイエンティスト、プロダクトマネージャーなど、デジタル領域の業務を行う人材のことをデジタル人材と定義。
[2]: 企業の雰囲気について「非常に近い」あるいは「どちらかというと近い」と回答した数をカウント