ヒューマンリソシアは、世界93か国のIT技術者についての調査結果を「2021版:データで見る世界のITエンジニアレポートvol.4 93カ国のIT技術者数まとめ」として発表した。
同レポートでは、国際労働機関(ILO)の公表データや各国の統計データをベースとした独自分析により、世界93か国のIT技術者数は2257万人と推計。インドや中国といったIT技術者輩出国を擁するアジア・太平洋地域で838.4万人、米国を含む北米・中南米で558.4万人、そしてヨーロッパは772.0万人となった(図表①)。なお、データを収集できた2020年と比較すると、世界のIT技術者は約120万人増加している。
各国のIT技術者数の割合を地域別にみると、37.1%をアジア・太平洋地域が占めている。次いで、米国を含む北米・中南米地域が24.7%、ヨーロッパ地域が34.2%と続き、ヨーロッパ諸国の伸びが際立つ結果となった(図表②)。
各国のIT技術者数を国・地域別でみると、米国がトップの409.3万人、2位には231.6万人のインドと続いた。なお、日本は122万人で、前回調査と同じく4位。5位には、前回調査の7位より2つ順位を上げた121.1万人のドイツが入り、4位の日本との差は1万人にも満たない結果となった。その他ヨーロッパでは、イギリス、ロシア、フランスがトップ10入りしている(図表③)。
また、各国IT技術者数の最新データと、データを収集できた直近の2020年を人数ベースで比較した増加率を算出したところ、世界全体で、IT技術者数は約5.6%増加しており、地域別でも、全ての地域でIT技術者が増えていることが分かった。特にヨーロッパは8.9%の増加と、大きくIT技術者が増えている。なお、世界で最も多くのIT技術者を擁するアジア・太平洋地域は3.3%の増加と、世界平均には届いていない(図表④)。
IT技術者数の増加率を国別に算出すると、1位は57.2%増加したアルメニア、2位は40.5%増加のドミニカ共和国、3位が35.9%のラトビアとなった。また、IT技術者数で第5位となったドイツが27.9%増加で6位に入った。日本は6.1%増の33位、IT技術者数で1位の米国、2位のインドはそれぞれ41位、44位にとどまった(図表⑤)。
IT技術者数が各国の人口に占める割合を算出したところ、93か国全体では、0.35%となった。地域別にみると、人口に占めるIT技術者の割合が最も高いのは、1.03%のヨーロッパとなり、北米・中南米地域が、0.65%と続いた(図表⑥)。世界の4割近くのIT技術者数を擁するアジア・太平洋地域は0.20%となり、人口に占めるIT技術者の割合は世界全体より低い結果となった。
人口に占めるIT技術者の割合を国別にみると、1位は2.30%のスウェーデン、2位は2.11%のフィンランド、そして3位は2.01%のアイルランドと、北ヨーロッパの国がトップ3を占めた。また1.67%で7位のイスラエルを除き、トップ10のうち9カ国をヨーロッパ各国が占めている。日本は0.97%の35位、IT技術者数が最も多い米国は1.23%の21位、IT技術者数2位のインドは0.17%の70位となった。