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リファレンスチェック入門 | 第2回

リファレンスチェックの効果を引き出すための運用とリファレンスの正しい活用

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 人材を採用するときに最も避けたいこと。その一つは入社後の「ミスマッチ」ではないでしょうか。ミスマッチ解消の方法の一つとして、欧米では当たり前となっているのが「リファレンスチェック」です。日本でも徐々に認知が広がりつつあります。本連載の第1回では、リファレンスチェックの基礎知識として仕組みや流れを中心にお話ししました。今回はリファレンスチェックを導入する場合の運用や活用方法について、より具体的に紹介します。

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リファレンスチェックの効果を引き出すための運用とは

 リファレンスチェックとは、採用選考時に前職や現職で一緒に働いたことがある第三者から、候補者の実績や在籍期間、人物像などの客観的な情報を取得し、採用判断に活かす活動です。採用のミスマッチを防ぐために行われ、面接だけでは確認できないことを調べ、面接での評価と齟齬がないかを確認します。

 リファレンスチェックを実施する際に重要なポイントは、「ミスマッチの削減につながる効果を引き出すために、適切に運用する」ことです。誤った運用方法で“なんとなく”リファレンスチェックを行っても、ミスマッチ解消にはつながりません。

 リファレンスチェック本来の効果を引き出すための運用とは何か。3つのポイントを掘り下げてみましょう。

①推薦者を誰にして、何人から回答してもらうべきか

 一般的に採用企業は、リファレンスの回答に協力してもらう推薦者について、その「関係性」と「人数」を指定して候補者に依頼します。あえて指定しないという選択肢もありますが、効果を引き出すには多様な関係性の推薦者から複数名回答してもらうことが重要です。1人の推薦者が候補者の全体像を伝えることは決してできません。上司の回答はあくまでも上司目線での回答であり、部下から見た候補者のことを記載することはできないのです。

 候補者のことを正しく理解するには、最低でも2名以上(推奨は3名)のそれぞれ異なる関係性の方から回答してもらうことを推奨します。また、関係性には現職の関係者から取得するのか、前職の関係者から取得するのか、という選択肢もあります。現職のほうが好ましいと考えるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。前職のほうが自社に近い業界であるかもしれませんし、会社規模が近いかもしれません。採用企業には、リファレンスにより候補者について深く知りたいこと(いつ、どのくらいの期間、どのような立場で、どのような環境で働いていたのか、など)を、推薦者の関係性の指定を通して選択することが求められます。

 次に示す表は、関係性におけるメリット/デメリットをまとめたものです。それぞれのメリット/デメリットを鑑みて、自社にとって適切な指定は何かを考えましょう。

関係性 メリット デメリット
上司
  • 候補者にとって上司関係の人の選択肢は多くないため、自分にとって都合の良い回答をする人を選びづらい
  • 組織が求めていた成果を出していたのかという観点での回答が得られやすい
  • マネジメント観点での情報(候補者のより長期的な観点での課題、気持ちよく働けるコミュニケーションの取り方など)を得やすい
  • 現職の場合、上司関係になったことがある人が1名しかおらず、タイミングによっては回答が得られない可能性が高い
  • 候補者がマネジメントの立場にある場合、上司目線での回答を得られない
  • 回答者が忙しく、回答内容が薄くなる可能性がある
同僚
  • 最も依頼できる選択肢が多く、候補者目線での負担は少ない
  • 上司、部下には見せず、同僚にしか見せない候補者の本質的な部分の回答を得られやすい
  • 専門性の高い業務の場合、最も適切なスキル評価を得られやすい
  • 依頼できる選択肢が多い分、自分の都合の良い回答をしてくれる推薦者が選ばれる可能性がある
  • 組織的な要求やマネジメントに関しての情報を得づらい
部下
  • 部下目線で上司としてどのような振る舞いをしていたのか、マネジメントスタイルやそれを部下はどう受け止めていたのかについての評価を得られる
  • 上司として信頼関係構築やメンバー教育がどれほどできていたのかを判断しやすい
  • 候補者がマネジメント経験者ではない場合、部下を持っていない可能性が高い
  • 専門性や候補者の課題について適切に評価できない可能性がある
※印刷用ページ表示機能はメンバーのみが利用可能です(登録無料)。

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リファレンスチェック入門連載記事一覧
この記事の著者

山田 浩輝(ヤマダ ヒロキ)

大学在学中、代表 中嶋汰朗と株式会社ROXXを創業し、COOを務める。2017年、新規事業責任者としてクラウド求人データベース「SARDINE(現agent bank)」を立ち上げる。2019年より、オンライン完結型リファレンスチェックサービス「back check」を統括。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://hrzine.jp/article/detail/4253 2022/09/08 08:00

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