23卒生を定着させるために気をつけたいこと
──有本さんは23卒生の傾向をどのように捉えていらっしゃいますか。
いわゆる一般的なZ世代と大きく変わらないと思うのですが、企業が注意したほうがよいポイントが4つあります。
1つ目は、コロナ禍の経験が長かったことで、「自分が就職する会社は本当に倒産せずに、安定してビジネスを続けられるのか」といったことに対する不安感が、より強くなっていること。
2つ目は、成長意欲が高いといわれる22卒生よりも、さらに23卒生は成長意欲が高まっている可能性があること。
3つ目は、オンライン面接にも慣れている23卒生は、リモートワークに対する企業の姿勢と自身の価値観がマッチするかどうかによって、企業の評価が変わってくること。
4つ目は、「働きやすい会社かどうか」を重視する傾向が強く、人間関係の良さを求めていること。
これらの4つのポイントに配慮して受け入れ体制を整えておかなければ、早期離職につながる危険があると思います。人事の方にとっては、負担が大きいことですけどね。
──なるほど。オンラインとオフラインをうまく組み合わせながら、不安を取り除いてあげることが大切だといえそうですね。
はい。今の時代、転職しようと思えば、すぐにできる時代ですよね。こうした売り手市場では、早い段階で会社が評価されてしまいます。最初の3ヵ月が肝心なんですよ。試用期間は従業員が試されるのではなく、会社が試されていると考えたほうがいい。
今は基礎研修が終わった第2新卒を歓迎する企業はたくさんあって、その会社に固執する必要はどこにもないですから。選ばれる会社になれなければ、その時点で終わりです。