ラフールは、立正大学心理学部と共同で、ウェルビーイングの観点から見た「男女共同参画におけるストレスや職業意識の男女差」に関する研究を実施し、その結果を発表した。
研究の概要と結果は以下のとおり。
- 分析対象:462の企業・事業所
- 対象人数:6万6427名(女性:2万9003名、男性:3万7424名)
- 使用データ:ラフールサーベイへの回答者(回答期間:2021年1月~2022年2月)
- 分析に使用する項目:ラフールサーベイに含まれる職業性ストレス簡易調査票(57項目)、新職業性ストレス簡易調査票の推奨尺度(63項目)に独自項目(36項目)を追加した計156項目
ストレス指標19項目のうち、10項目以上は男性よりも女性の数値が高い
男性と女性との間で、ウェルビーイングに感じる傾向に違いが見られることが分かった。
男女共同参画に関わる8項目のうち、6項目で女性の数値が低い
「失敗しても挽回(ばんかい)するチャンスがある職場だ」など6項目が、男性優位となった。
「今の仕事(業務)はきっと将来の自分のためになると感じる」では、教育・研修、介護・福祉・医療、人材サービス、メーカー(素材・食品・医薬品他)、インフラ、その他の業種のみ男女差は見られなかった。
また、「自分の仕事に見合う給料やボーナスをもらっている」では、人材サービス、建設・不動産、コンサルティング、IT・インターネットの業種において、女性のほうが平均値が高くなった。残る業種では有意な男女差は見られなかった。
上司からの評価や給料、様々な立場の活躍などに対する認知は、40代以降で男女差がみられた
特に「上司からのふさわしい評価」「仕事に見合う給料やボーナス」「いろいろな立場の人が尊重されている」の3項目で、男性の得点が上昇に転じる傾向があった。
結果について同社は以下のように述べている。
同研究では、ストレス・職業意識の男女差があることが分かった。一貫して男性のほうが職場で自律性を持って働くことができている一方、職業性ストレスは女性のほうが高いにもかかわらず、満足感には差が見られなかった。多くのストレス指標は女性のほうが高く、男女共同参画に関わる項目も同様に多くが男性のほうが良好だった。
また、上司からの評価や給料、様々な立場の活躍などに対する認知は、40代以降で男女差が見られた。多くの項目で男女差は現在も存在しており、特に女性活躍のための支援が必要である。加えて、中年期以降のライフステージにおいて、男女差が顕在化する項目があり、子育てなどが一段落した段階の働き方の違いを反映する可能性が見え、中年期以降の女性従業員に対する「リスキリング」支援の必要性が示唆された。
【関連記事】
・企業の人事・経営層が感じている課題「女性の昇進意欲のなさ」が上位、結婚後は管理職意向の男女差が拡大―パーソル総合研究所調べ
・働き方に関する調査第1弾「女性活躍に関する調査」を実施、女性活躍「進んでいる」との回答は4割―マルコ
・42%以上の女性が「想像以上に男女格差がある」と回答―ブッキング・ドットコム「ジェンダーバイアス」に関する調査結果を発表