マイナビは、「マイナビ 人材ニーズ調査 2022年版」を発表した。
調査の概要と結果は以下のとおり。
- 調査対象:人材採用に関して、「採用実施」「手法選定」「雇用の決定」のいずれかの決裁権を持つ採用担当者
- 調査方法:Web調査
- 調査期間:2022年12月9日~12月12日
- 回答数:2170名
2022年の採用実績を雇用形態別に聞いたところ、最多は「正社員(中途採用)」で78.2%、次いで「正社員(新卒採用)」が65.2%となった。非正社員は「契約社員・嘱託社員」が41.2%、「パート・アルバイト」が54.5%、「派遣社員」が35.3%だった。2019年のコロナ禍以降、非正社員の採用実績は減少傾向にあったが、2022年は「パート・アルバイト」「派遣社員」において増加に転じた。また、2023年の採用予定割合は、いずれの雇用形態においても前年より増加している。
今後採用したい対象について、シニア世代(55~64歳くらい)の採用を期待する割合は、「正社員(中途採用)」で18.4%、「契約社員・嘱託社員」で32.1%、「アルバイト・パート」で36.2%だった。シニア世代を採用したい割合は、いずれの雇用形態でも2020年から増加傾向にある。
シニア世代に期待することは「経験・スキル」(44.8%)、「労働力」(28.3%)、「技能や知識の継承」(24.9%)だった。労働人口の減少を見据えてニーズは高まっており、今まで培ってきた経験・スキルのほか、技能・知識の継承が求められている。
企業の採用目標達成のために、基本給を上げることがあったかを聞くと、前年と比べて上げた企業がいずれの雇用形態でも増加し半数を超えた。人材ニーズの復調や昨今の物価上昇を背景に、企業の給与増の動きが進んでいると考えられる。
また、業種ごとにいずれかの雇用形態で1つでも給与増があった割合を見てみると、「流通業・卸売業・小売業」(69.4%)が最も高い結果となった。
人的資本の情報開示について、認知していた割合は上場企業で67.2%、非上場企業で57.5%だった。
また、情報開示の準備を進めていたり、すでに開示を実施している上場企業を対象に、ISO30414国際標準基準となっている項目ごとに、投資家、求職者、従業員それぞれに対して今後公開すると思われるかを聞いたところ、投資家へは「コンプライアンスと倫理」(62.3%)が、従業員へは「組織文化」(56.0%)が最も高かった。
求職者へは「採用・異動・離職」が56.2%で最多で、次いで「組織の健康・安全・福祉」が52.9%となった。ステークホルダーに応じた開示情報の選択の動きがみられ、中でも求職者に対してはその企業で働き続けるビジョンを持てるような情報を開示しようとしていることがうかがえる。
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