パーソルキャリアは、2022年12月の転職求人倍率をまとめた「doda転職求人倍率」を発表した。doda転職求人倍率は、中途採用市場における需給バランスを表すもので、dodaの会員登録者(転職希望者)1人に対して、中途採用の求人が何件あるかを算出した数値。
2022年12月の転職求人倍率は、前月から+0.31ポイントの2.54倍となった。求人数は前月比103.0%、前年同月比141.8%だった。転職希望者数は前月比90.3%、前年同月比115.9%となった。
求人数は、業種別では12業種(「その他」は除外)のすべてで前月から増加した。最も増加率が大きかったのは「コンサルティング」(前月比112.0%)、次いで「レジャー・外食」(前月比106.4%)となった。職種別でも11職種(「その他」は除外)のすべてで前月から増加し、増加率が最も大きかったのは「クリエイター」(前月比105.8%)、次いで「販売・サービス」(前月比105.5%)だった。
2022年12月の解説および2023年1月以降の見通しについては、同社は以下のように述べている。
新型コロナウイルス「第8波」の影響を受け、宅配需要が高まり「レジャー・外食」で求人が増加
12月の求人数は、2020年9月から28ヵ月連続で増加し、前月に引き続き過去最高値を更新した。求人増加率が最も大きかった「コンサルティング」では、戦略系コンサルティングファームでDXや事業戦略の再構築に関する求人が増加。次いで求人増加率が大きかった「レジャー・外食」では、ファストフード関連企業でデリバリー職の採用が増えた。これは新型コロナウイルス第8波の影響を受けて、再度宅配需要が高まってきているからだと推測される。
一方、転職希望者数は、例年同様に年末にかけて減少したため、求人倍率は12月も上昇し、過去最高値を更新した。
原材料高騰による再びの値上げラッシュのなかでも、企業の採用活動への影響はほぼない見込み
1月は、経済活動の活発化を見越して引き続き企業の採用意欲が旺盛なことが予想され、求人数は増加すると考えられる。一方で、転職希望者数も例年どおり、新年度を新しい環境で迎えることを目指して1月から転職活動を始める人が多くなり、増加する見込み。なお、転職希望者数の増加率のほうが求人数より大きいと思われるため、転職求人倍率は下降すると推測される。また、今後、原材料高騰による再びの値上げラッシュのなかでも、企業の採用活動への影響はほぼないと考えられる。
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