リクルートは、企業で働く人事担当者5048人を対象に、人材マネジメントをテーマとしたアンケート調査を実施した。
調査の概要は次のとおり。
- 調査方法:インターネット調査
- 調査対象:全国の人事業務関与者(担当業務2年以上)
- 有効回答数:5048人(そのうち、従業員規模30人以上の企業に勤める2761人を集計対象とした)
- 調査実施期間:2023年3月29日~3月31日
- 調査機関:インターネット会社
半数以上が人材育成の制度ややり方を見直す必要性を感じている
人材育成・能力開発について、「制度を変えたり、従来のやり方を見直す必要性を感じている」と答えた企業は「強く感じている」(13.7%)、「やや感じている」(37.4%)の計51.1%と、半数以上となった。
また、「見直しが必要」と答えた企業のうち、「できていない」(14.0%)、「あまりできていない」(32.8%)と、約半数が「まだできていない」状況であるようだ。人事制度の改定や見直しができている企業は、「できている」(4.5%)、「ややできている」(23.7%)と、3割未満にとどまっていることが分かる。
調査の結果について、同社のHR横断リサーチ推進部 マネジャー/研究員 津田郁氏は次のように解説している。
「昨今、『人的資本経営』が注目を集めており、政府の『骨太の方針』でも『人への投資』が掲げられています。今回、企業の人材育成・能力開発の実態を調査した結果、『従来のやり方を見直す必要性を感じている』と答えた企業は半数以上。その理由として最も割合が高かったものが『仕事を遂行するために必要なスキルの多様化』でした。『リスキリング(学び直し)』『スキルのアップデート』への課題意識が強くなっている現状が見てとれます。
しかし、実際にやり方の見直しができている企業は約3割にとどまっています。見直しができている企業は、3年前と比較して能力開発費を増加させており、『生産性』『離職率』などにもプラスの影響が現れているようです。ただし、やみくもに能力開発費を増やせばよいわけではないと考えています。組織としてありたい姿を描き、そのために必要な組織能力を定義することが前提。そのうえで従業員にどのようなスキルを磨いてもらう必要があるのか、さらには従業員本人たちがどのような成長やキャリアを描いているのか、対話をしながらデザインしていくことが重要です。ビジネス環境の変化はもちろん、従業員の価値観の多様化も見据え、人材育成・能力開発に取り組んでいく必要があると言えるでしょう」
同調査の結果はPDFから確認できる。
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