疾病の発症前から健康状態を維持することを目的とした「ホワイト・ジャック・プロジェクト」を行うエムスリーは、全国の企業経営層を対象に、健康経営に関する実態を調査した。
効果があった施策とその実施率に大きなギャップ
経営層に向けて、すでに実施した健康経営施策のうち「健康経営に関する施策について、効果のあった施策をすべて教えてください。」と質問した。最も多く回答された施策は「健康診断などのデータ化」(67%)であった。
次に、健康経営に関して実施している施策を質問したところ、「ストレスチェックの実施」(54%)、「労働時間の是正、休暇取得推進」(48%)、「専門職(産業医など)の拡充・連携強化」(42%)が挙げられ、法令で定められた施策の実施や労働条件の改善などにとどまっているケースが多く見られた。最も効果を感じた施策となった「健康診断結果などのデータ化」は38%で6番目となり、効果の実感と実施率にギャップが見られた。
健康経営の課題は「従業員の健康状態の把握」が最多
経営層が「健康経営に取り組む中で、課題に感じていること」を聞いたところ、「従業員の健康状態把握」(33.5%)が最多となり、次いで「従業員の健康課題特定(メンタル)」(32.7%)、「定量的な効果検証」(25.1%)、「課題の優先順位付け」(23.5%)、「KGI・KPIの設定」(23.1%)と続いた。分析、施策、効果評価のPDCAサイクルがうまく回っていないことが分かる。
なお、同調査の概要は次のとおり。
- 調査方法:インターネット調査
- 実施対象:251名(従業員規模100名以上の企業かつ健康経営に取り組む経営層)
- 調査期間:2023年6月26日~7月3日
- 調査機関:株式会社クロス・マーケティンググループ
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