ライボの調査機関「Job総研」は、758人の社会人男女を対象に「2023年人事評価の実態調査」を実施した。
評価方法の最多は「目標管理制度」
人事評価制度の有無を聞くと「ある」が83.9%、「ない」が16.1%という結果になった。また、評価制度があると回答した636人に評価方法を聞くと、「MBO(目標管理制度)」が36.0%で最多回答となり、次いで「コンピテンシー評価」(23.0%)、「ミッショングレード制度(役割等級制度)」(21.2%)、「360度評価(多面評価)」(15.4%)が続いた。
7割以上の人が人事評価制度に不満を感じている
人事評価制度へ不満を感じたことがあるかを聞くと、「とても感じている」が23.2%、「感じている」が23.4%、「どちらかといえば感じている」が28.6%となり、計75.2%が不満を感じていると回答した。同質問を評価種類別で見ると、360度評価で不満を感じている人が77.0%で最多となった。
また、評価によって過去にモチベーションが低下した経験があるかを聞くと、「とてもある」が28.5%、「ある」が27.3%、「どちらかといえばある」が22.9%となり、計78.7%が「ある」と回答した。あると回答した597人にその理由を聞くと、「成果と報酬が見合っていなかったから」が51.3%で最多となり、次いで「評価の基準が不透明だったから」が45.6%、「上司が自分をちゃんと見てくれていないと思ったから」が38.5%と続いた。
評価によって転職を考えたことがある人は7割以上
評価によって転職を考えたことがあるかを聞くと、「とてもある」24.8%、「ある」23.9%、「どちらかといえばある」23.1%となり、計71.8%が「ある」と回答した。転職を考えたことのある544人に実際に転職をしたかを質問すると「した」が48.9%、「していない」が31.6%、「検討中」が19.5%であった。
今後評価に期待することの1位は「年収アップ」
今後の会社の評価に期待をするかを聞くと、「とても期待する」が9.2%、「期待する」が18.6%、「どちらかといえば期待する」が33.6%で、計61.4%が「期待する」と回答した。同回答者に評価に期待することを聞くと、「年収が上がること」が71.6%で最多回答となり、次いで「キャリアアップに繋がること」(32.1%)、「承認欲求が満たされること」(27.3%)と続いた。
キャリアへの備え最多は「専門分野での実績」
将来のキャリアのために準備をしているかを聞くと、「とても準備している」が19.1%、「準備している」が15.6%、「どちらかといえば準備している」が25.7%となり、計60.4%が「準備している」と回答した。準備をしていると回答した458人に具体的な内容を聞くと、「専門分野での実績を作る」が45.9%で最多となり、次いで「専門分野と関連する資格取得をする」(37.6%)、「専門分野の本を読む」(36.5%)が続いた。
同アンケートに寄せられたコメントは次のとおり。
- 評価する人の能力が低いと自分が正しく評価されている気がしないので不安と不満が募る
- 評価制度も大事だが、上司によって評価も変わってくるので適度なアピールも必要だと思います
- 上司の知らぬところで他の人へ迷惑をかける人が自分よりも評価が高いことを知ってがっかりした
- 評価を上げてもらわないと収入が上がらず生活に困るのに、がんばっても評価されていない
- 正直上司から好かれているかも大事なので、成果を上げるだけでは評価されない気がしています
なお、同調査の概要は次のとおり。
- 調査対象者:現在職を持つすべての社会人、JobQ Town登録者
- 調査条件:全国/男女/20~50代
- 調査期間:2023年8月30日~9月4日
- 有効回答数:758人
- 調査方法:インターネット調査
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