マイナビは、2023年1~7月に中途採用を行った企業の人事担当者を対象に調査を実施し、「企業による多様な働き方実現に関するレポート(2023年)」を発表した。
副業・兼業人材を受け入れている企業は65.2%と大幅に増加
中途採用を実施した企業が副業・兼業人材を受け入れている割合は、65.2%(前年比+18.8ポイント)と大幅に増加。また、従業員の副業・兼業を認可する制度がある企業も70.6%(前年比+1.9ポイント)と、3年連続で増加した。
前年までは、副業人材を受け入れている企業が46.4%、認可する制度がある企業が68.7%と22.3ポイントの大きな差があったが、今年は受け入れる企業が増加し、差が5.4ポイントに縮まった。人手不足解消などのために今後も副業の受け入れ企業が増加すると同社は予測している。
また、副業・兼業を認可する制度の導入理由は「従業員エンゲージメントを高めるため」(37.3%)が最多となった。
今後導入したい施策は「週休3日制度」が最多
今後導入したい施策について、「週休3日制度」(13.5%)が3年連続で1位となった。
一方で、現在導入している施策は、「週休3日制度」(11.8%)が3年連続で最下位となっている。週休3日制度導入の課題は「人手不足」(46.1%)が最多で前年よりも増加している。
さらに、週休3日制度の導入有無別に副業・兼業社員の受け入れ状況をみると、週休3日制度を導入している企業の約9割が「副業・兼業社員を受け入れている」と回答。未導入企業と比べると、約20ポイントの差があった。副業・兼業を受け入れている企業は週休3日制度も導入している割合が高いことが分かる。
男性育休取得の実績は増加するも取得率は1割が最多
直近1年間に男性育休取得の実績がある割合は61.4%で、前年の57.4%から4.0ポイント増加した。今後1年間で男性育休が取得可能になる見込みの企業は74.0%で、今後取得はさらに進むと見込まれる。しかし、育休取得率で最も高かったのは前年に引き続き「1割(男性育休取得権利がある男性のうち1割は取得できた)」であった。
企業の男性育休取得推進への課題では、「取得希望者が少ない」(51.2%)が最も多く、「代替要員の確保」(46.0%)が続いた。男性育休は女性の産育休と比較して期間が短い傾向にあり、代替要員の確保が難しいという課題点もある。厚生労働省は2024年度から、育休取得者の業務を代替する社員に手当てを出す中小企業に対し、助成金を増額するなどの支援を行っているが、代替要員の確保ができない、職場の理解を得られないという背景が、男性育休取得推進のハードルになっていると同社は述べている。
なお、同調査の概要は次のとおり。
- 調査期間:2023年7月12~18日
- 調査方法:インターネット調査
- 調査対象:2023年1~7月に中途採用業務を担当し、募集活動をしており、採用費用の管理・運用に携わっている人事担当者
- 調査機関:株式会社マイナビ(アンケートモニター提供元:外部調査会社)
- 有効回答数:1600件
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