リクルートは、企業で働く人事担当者を対象に、人材マネジメントをテーマとしたアンケート調査を実施。女性管理職に関する結果を発表した。
結果のサマリーは次のとおり。
- 女性管理職の割合が「30%以上」の企業は9.9%。6割以上が「10%未満」
- ポジティブアクションの基本的な取り組みとして、セクハラ防止に取り組んでいる企業が最も多かった。そのうえで、女性管理職の割合が「30%以上」の企業は、「働きがい」「働きやすさ」に取り組む割合が高かった
- 女性管理職の割合が「30%以上」の企業は、「人材多様性を高める」「人材確保」「従業員の成果を引き出す」など人材活用の観点からダイバーシティマネジメントに取り組んでいる
この結果を受けて、リクルートのHR横断リサーチ推進部 マネジャー/研究員 津田郁氏は次のように解説している。
「現代の企業には、多様な人材の能力や経験を活かせるよう、あらゆる人が活躍できる環境を構築する『ダイバーシティマネジメント』が欠かせません。本リリースでは、ダイバーシティマネジメントのテーマのうち、ジェンダーに着目し『女性管理職』の割合や増加に向けた取り組みの状況に注目しました。
女性管理職を増やしていくことは、多くの国や業界で重要な社会課題とされています。本調査の結果によると、女性管理職の割合が『30%以上』の企業は9.9%、6割以上が『10%未満』でした。産業構造上どうしても女性が少ない業界や職種は一定数存在しますが、依然として大きな課題であることが分かります。調査からは、女性管理職の割合が『30%以上』の企業は、『人材多様性を高める』『人材確保』『従業員の成果を引き出す』などを目的に、働きがいと働きやすさを高める職場づくりや制度構築に取り組んでいるという特徴が見られました。
一方、『30%未満』の企業は、『法律の施行といった政府・官公庁の要望への対応』を目的にしている企業の割合も低くはありません。管理職や経営陣に十分に女性がいない状況は、ポテンシャルの損失、イノベーションの機会の逸失、そして組織の総合的な効果性に影響を及ぼす可能性があります。単に、『政府・官公庁が要請しているからやる』のではなく、やる意義を企業が捉えて推進していくことが欠かせないでしょう。
女性管理職を増やしていくために必要な『働きがい』と『働きやすさ』を高める取り組みは、私たちの働き方や生活の在り方に深く関わるテーマばかりです。性別にかかわらず『働きがい』と『働きやすさ』を両立できる社会の実現に向けて私たち1人ひとりが当事者意識を持って考えていくべきではないでしょうか」(津田氏)
詳細はPDFより確認できる。
なお、同調査の概要は次のとおり。
- 調査方法:インターネット調査
- 調査対象:全国の人事業務関与者(担当業務2年以上)
- 有効回答数:5048人(ただし、従業員規模30人以上の企業に勤める2761人を集計対象とした)
- 調査実施期間:2023年3月29日~31日
- 調査機関:インターネットリサーチ会社、リクルート
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