早期離職をまず防ぐには
採用した人材がすぐに離職してしまう理由とは何か。その多くは、入社前のイメージと入社後の実態との間に大きなギャップを感じることにあります。ギャップを感じれば、働くことに対してネガティブな感情を抱き、生産性も低下していきます。成果が出せないことでモチベーションはさらに下がり、「この会社で働き続けたくない」と感じるようになる。そして最終的には、短期間での離職につながってしまいます。
近年、こうした課題を抱える企業を中心に注目されているのが、(新卒・中途を問わず)新入社員が早く会社になじみ、活躍できるように会社側がサポートする取り組み「オンボーディング」です。オンボーディングは次のように行っていきます。
まず入社前は、入社までの期間で生じる疑問や不安を払拭し、信頼関係を構築していきます。とくに新卒採用の場合、内定から入社までの期間が長いため、内定後のコミュニケーションをしっかりと行いましょう。この時期の施策例としては、新卒採用ならば内定者研修や内定者アルバイト、会社見学、懇親会など、中途採用ならば面談や社内報の送付などがあります。
次に入社直後は、会社についての理解を深めるためのフォローが不可欠です。入社したばかりの社員は意欲が高い一方で、新たな環境に対する不安も感じやすい時期であり、そうした不安を解消するためにも、会社への理解度を深める必要があるからです。社内ルールや業界・サービスについて学ぶための研修はもちろん、会社のカルチャーや根本的な価値観を理解するために社長・経営陣の考えを伝え、理解してもらうことも重要なポイントです。
また、ランチ会や社内交流会といったカジュアルな施策も取り入れると、既存社員とのつながりが深まり、早期離職を防ぐことにつながります。
そして、その後も3ヵ月、半年、1年とオンボーディング施策は継続することが重要です。1on1やメンター制度などで業務や働き方についてフォローアップし、他部署の社員も交えた企画を積極的に行うなど、日頃の課題や不安を解消することが、新入社員の定着につながっていきます。