ジンジブは、新卒採用担当者を対象に、2024年卒の高校生における採用募集人員の増減や充足状況、採用活動での取り組みに関する実態を調査した。
高卒採用が計画どおりに充足した企業は約3割
高校新卒採用の募集を行ったと回答した人に計画どおり充足したか質問したところ、「充足した」が28.9%、「1名以上内定を出し充足していないが採用活動は終える予定」が15.9%と、11月時点で採用を終えた企業は44.8%となった。また、1名以上に内定を出したと回答したのは74.3%で、1名にも内定が出せていないという回答は20%であった。
「充足した」「1名以上内定を出し充足していないが採用活動は終える予定」と回答した人に、応募につながった理由を質問したところ、半数が「先生との関係構築」(50.6%)、「給与や福利厚生(条件面)」(50.0%)と回答した。次いで、「教育・キャリアアップ制度」(39.1%)、「アットホームな雰囲気」(34.0%)、「ネームバリュー」(31.4%)が続く。
また、「1名以上応募があった」と回答した企業に、採用した生徒が応募に至ったきっかけを質問したところ、「学校に届いた求人票」(60.1%)が最多であった。次いで、「自社HP」「企業パンフレット」「求人サイト」が続く。生徒は求人票の文字情報に加えて、Webサイト、パンフレット、就活イベントや動画など、求人票だけではなく「職場の雰囲気」や「働いている人」を見て応募をしていることが分かる。
興味をもってもらうために苦戦したこと最多は「先生との関係構築」
高校生に興味を持ってもらうためにとくに苦戦したことについて質問したところ、「先生との関係構築」(38.7%)が最多となった。「応募につながった理由」でも同回答が最も多かったことから、高卒採用において先生はキーマンだといえる。次に、「高校生との直接接点」(38.2%)が続き、高校生に直接PRを行い、選んでもらう重要度が増していることが分かる。
約半数が「給与・賞与」を変更、1社あたりの変更数は平均「1.75」
2024年卒の高卒採用活動において、求人票で変更した事項があるか質問したところ、約65%の企業が何かしらの変更を行ったと回答した。変更した内容は「給与・賞与」(47.4%)が最多。また、1社あたりの変更数は平均「1.75」となり、1企業が複数項目を変更している。
同社は、世の中の賃上げニーズだけでなく、企業の魅力を向上させ、訴求するために複数の項目を改訂した企業が多かったと推察している。「募集職種」(19.4%)では、「実際に入社したらしてもらう業務を詳細に分かりやすく変更した」という声が多く見られたという。他にも、「入社後のキャリアについて具体的に記載した」「研修制度や資格支援制度を詳細に記載することで、未経験でも安心して働けることをPRした」という回答があった。
なお、同調査の概要は次のとおり。
- 調査期間:1.2023年11月8日~18日、2.2023年11月13日~14日
- 調査方法:1.メールによるアンケート回収、2.インターネット調査法
- 調査対象:企業の新卒採用担当者
- 有効回答:N=647人(うち高卒採用実施は346人)
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