成長の源泉は「人」、じっくりと長期目線で育てる
——改めて御社の「人本主義」とは何か、その思想の背景にあるものは何か、それが御社のビジネスをどう支えてきたかを教えてください。
サントリーグループでは昔から、成長の源泉が「人」であると考えてきました。近年では人が経営の重要な基盤であるという考え方を「人本主義」と称して、人への投資や人材育成にさらに積極的に取り組んでいます。
とくに第2代社長の佐治敬三は「人材原酒論」を唱えていました。人を育てるのは、ウイスキーの原酒といっしょだという考えです。原酒は開けてみたときに、思ったような味が出ていないことがあります。そうしたときには、もう1回栓をして寝かし直してみる。しばらく置いてみると、想像もしなかったような素晴らしい味に育つことがあったりします。
同様に、人も短期で決めつけてはいけない。その人の可能性を信じて、長期目線で育てることがとても大事だと言っています。そうした考え方がサントリーグループ全体にあって、長期視点で人を育ててきたといえます。
もう1つ、サントリーグループの中に幅広く活躍できる領域があるのも大きなポイントです。お酒をはじめ清涼飲料、健康食品なども手がけており、会社の中で自身の可能性の幅を広げることができます。幅の広がりと時系列の両方が組み合わさり、さまざまな部門で経験を積むことができます。