マイナビが運営する「マイナビ転職」は、管理職を対象に行った「管理職の悩みと実態調査」の結果を発表した。
「管理職になって良かった」と感じている人は約6割
「管理職になって良かった」と感じている人は60.8%。係長・チーム長クラスでは約半数にとどまるが、本部長クラスは8割に上った。役職が上がるほど、「管理職になって良かった」と感じる人が多い傾向にあることが分かる。
また、その理由を自由回答で聞いたところ、「部下の成長に喜びを感じる」「自分の課をもってある程度自由な采配ができる」「給料面での余裕で家庭も安定する」などの声が寄せられた。
「管理職への満足感」には、給与が影響
管理職になる前後で年収の変化を見ると、管理職になり「給与が上がった」人は8割以上で、変化額の中央値は「100万円増」だった。
また、「管理職になって良かった」と感じている人と感じていない人の年収を見ると、「管理職になって良かった」人の年収中央値は「700万円」に対し、そうでない人は「550万円」と明確な年収差があることが分かった。「管理職への満足感」には、給与が影響している可能性がうかがえるという。
管理職になって約7割が「心身の健康が損なわれた」
管理職になってからの変化について聞いたところ、約7割が「仕事の比重が増えた」「心身の健康が損なわれた」と回答した。その他、「プライベートや家族との時間を楽しめなくなった」「転職を考えるようになった」などの回答も見られ、心身や私生活とのバランスに苦慮しながら管理職をまっとうしている人が少なからずいることが分かる。
悩みは「業務負荷」「ハラスメントへの恐れ」
管理職としての悩みは、「マネジメント業務の負荷」が28.1%で最多となり、次いで「ハラスメントと言われるのを避けたい」が27.0%、「部下が成長しない」が24.0%と続いた。部下の指導に苦労している様子がうかがえる。
今後の昇格希望について聞くと、「昇格したい」は約半数にとどまった。次長・課長・係長・チーム長のクラスでは、「管理職を辞めたい」と考えている人が約2割いる。管理職でいることによる業務負荷や、精神的な負担などが影響していることがうかがえるという。
また、管理職を続けていくうえで希望するサポートや制度は、「管理職手当の増額」が40.1%で最も多く、次いで「残業手当の支給」が21.6%と続いた。
なお、調査の概要は次のとおり。
- 調査概要:「管理職の悩みと実態調査」
- 調査期間:2024年9月20~26日
- 調査方法:Web調査を実施
- 調査対象:20~50代の会社勤務の管理職 ※主任・プロジェクトリーダーを除く
- 有効回答数:800名(内訳:20代51名・30代349名・40代200名・50代200名)
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