U-ZEROは、企業で働く会社員を対象とした調査に加え、日本CHRO協会と共同で、企業の人事部門の社員を対象とした「従業員エンゲージメントに関する調査」を実施した。
64％が「社員の声が経営層に届いていない」と回答
社員の声の取り入れ状況について聞いたところ、4割の企業が何らかの方法で社員の声を取り入れようとしていることが分かった。しかし、社員の声が経営層に届いているかという問いに対しては、64％が「届いていない」と回答。また、「経営層を信頼している」と答えた人も全体の37％にとどまった。社員の声を集める仕組みはあるものの、それを経営に反映させたり、経営層への信頼につなげたりする点では、依然として改善の余地があることがうかがえる。
「組織の壁」を感じている人が多く、業務効率も損なわれている
「組織の壁を感じている」は全体の67％、さらに78％が「業務効率に悪影響を与えている」と回答した。このことから、組織の壁が大きな課題の1つであることが明らかになった。しかし、組織の壁を解消するための具体的な施策を実施している企業は全体の3割にとどまり、多くの企業が課題を認識しつつも、実際の対策には至っていない現状が分かる。
フィードバックが活発だと「成長実感率」「働きがい」が高まる
自分が働く組織におけるフィードバックの状況について聞いたところ、「活発である」は47％と約半数にとどまった。
さらに、フィードバックが活発な組織とそうでない組織を比較すると、フィードバックが活発な組織では、「自身の成長を実感している」割合が2.1倍、「働きがいがあると感じる」割合が1.9倍、「精神的に安心して働ける」割合が2.0倍と、フィードバックが活発でない組織に比べ、いずれの項目でも高い結果となった。
また、フィードバックが活発な組織では、人材の定着率や業績成長率が高い傾向にあることに加え、不正や不祥事に気づいた際に社員が声を上げやすいという、不正防止の側面も持ち合わせていることが分かった。
従業員の声を取り入れる重要性は認識されているが、課題が残る
一方、一般社員ではなく人事部門を対象にエンゲージメントをテーマに調査を実施。その結果、従業員の声を経営に取り入れることの重要性について、「重要だと思う」は98％、「経営層にもその認識がある」は86％と高い数字が出ており、人事部門や経営層でも重要性が認識されていることが分かる。しかし、「実際に従業員の声を反映できている」と答えた人は約半数の54％にとどまり、重要性は認識されているものの、実際の反映には課題があることが分かった。
フィードバック文化の効果は評価されているが、改善の余地あり
同様に、フィードバック文化に関する質問を行った結果、エンゲージメント向上に対するフィードバックの効果を「そう思う」は96％に上り、多くの人事担当者がフィードバック文化を取り入れたいと考えていることが分かった。しかし、自社でのフィードバック実施状況については、「実際に実施している」と回答したのは42％にとどまり、実施状況には改善の余地があることが明らかになった。
なお、調査の概要は次のとおり。
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一般社員
- サンプル数：314
- 調査対象：入社して1年以上、社会人経験のある20～50代の男女
- 調査期間：2024年12月26～27日
- 調査方法：インターネットリサーチ
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人事担当者
- サンプル数：218
- 調査対象：日本CHRO協会の会員であり、人事担当者、人事責任者
- 調査期間：2025年1月7～28日
- 調査方法：インターネットリサーチ
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