キャリアデザインセンターが運営する、女性の転職に特化した転職サイト「女の転職type」は、働く女性を対象に「ジェンダーギャップ」についてアンケートを実施した。
今の職場に「ジェンダーギャップ(男女格差)はある」は約6割
今の職場にジェンダーギャップ(男女格差)があるか質問したところ、「非常にあると思う」が20.2%、「ややあると思う」が39.0%と、合わせて約6割が「ある」と感じていると分かった。
1年前に行った調査では、「ある」と感じている人が約7割であり、職場におけるジェンダーギャップは減少傾向にはあるものの、まだ半数以上の女性が職場でジェンダーギャップを感じていることがうかがえる。
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1年前と比べて、ジェンダーギャップが「解消されている」は約3割
1年前と比較してジェンダーギャップが解消されていると思うか質問すると、「変わらない」が最も多く52.4%。「かなり解消されている」は6.8%、「やや解消されている」は23.8%と、合わせて30.6%となり、2024年に行った同調査の26.5%をやや上回る結果となった。
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解消されていると感じる理由は「女性の管理職・リーダーが増えた」
前問で「かなり解消されている」「やや解消されている」と回答した人に、その理由を聞くと、「女性の管理職、リーダーが増えた」が37.5%で最も多く、次いで「男性の育休が増えた」が34.1%、「周囲のハラスメントにあたる発言が減った」が25.5%と続いた。
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“女性であること”が理由で職場で経験したことは「給料が低い」が最多
“女性であること”が理由で職場で経験したこと(感じたこと)を質問したところ、「給料が低い」が40.0%で最多となり、次いで「給料が上がりにくい」が36.1%、「お茶出し、掃除などを任される」が33.9%と続いた。
「特にない」と回答したのは24.2%であることから、7割以上の女性が性別を理由に何らかの格差を経験している(感じている)ことが分かる。
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大半の女性が、職場で「女性はこうあるべき」という発言をされた
職場で「女性はこうあるべき」という偏見を感じる発言をされたことがあるかを聞くと、「たまにある」が36.4%で最も多く、次いで「あまりない」が31.9%と続いた。
なお、「まったくない」「分からない」は23.2%にとどまり、大半の女性が職場で性別による押し付けや偏見を感じる発言をされた経験があることが分かった。
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偏見を感じる発言をしたのは「男性上司」が7割で最も多い
前問で「頻繁にある」「たまにある」と答えた人に、どの立場の人がそのような発言をしたのかを聞くと、「(男性)上司」が69.8%で非常に多い結果となった。次いで「(男性)社長・経営層」が29.9%、「(男性)同僚」が27.1%であることから、女性に対して押し付けや偏見を感じさせる発言をする人の大半は、同じ社内の男性である場合が多いことがうかがえる。
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具体的な発言として、自由記述のコメントでは次の回答が寄せられた。
- 「女子だから、コンビニ弁当とかじゃなくて、弁当を自分で作ったほうがいい」(20代/その他/正社員)
- 「当たり前に他人のエリアの掃除を求められる」(50代/事務・経理・人事系/派遣)
- 「飲み会でお酌をしたり、食べ物を取り分けたり、自分以外の人からのおみやげを配ったりするように」(40代/その他/正社員)
- 「男性の営業が行くより、女性のほうが柔らかい雰囲気だから話しやすいだろう」(20代/営業系/正社員)
- 「女の子だしプライベートで幸せになってほしい」(30代/事務・経理・人事系/派遣)
- 「女なんだからスカートを穿くように」(20代/事務・経理・人事系/正社員)
- 「結婚して子どもを産んだら辞職するよね?」(30代/その他/正社員)
ジェンダーギャップ解消のために、個人でできること
ジェンダーギャップ解消のために個人でできることを聞くと、1位は「多様な働き方を肯定し協力する」が43.7%、2位は「仕事で成果を上げる」が36.1%、3位は「社外の取り組みを学ぶ」が22.8%となった。一方で、「できることはない」と答えた人も18.0%だった。
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なお、調査の概要は次のとおり。
- 調査内容:第103回「ジェンダーギャップ感じてる?」/データで知る「女性と仕事」
- 調査期間:2025年2月6~21日
- 有効回答数:618名
- 調査対象:女の転職type会員
- 調査方法:Web上でのアンケート
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