KiteRaは、会社員を対象に「内部通報制度、コンプライアンス研修・教育に関する実態調査」を実施した。
約7割が社内の「内部通報制度(ホットライン)を知らない」
社内にコンプライアンス違反を報告するための内部通報制度があることを知っているか聞いたところ、「いいえ」が72.6%、「はい」が27.4%となった。

2022年6月に改正された公益通報者保護法により、内部通報制度の整備が義務付けられている従業員301名以上の企業に所属する従業員の回答を見ると、「いいえ」が52.8%、「はい」が47.2%という結果となり、内部通報制度の認知度に課題があることが明らかになった。

通報者を「十分に配慮している」と思う従業員は3割程度
前問で「はい」と回答した人に対し、勤め先の内部通報制度は、通報者の匿名性および報復防止について、十分に配慮されていると思うか質問したところ、「分からない」が43.2%で最も多く、次いで「はい」が32.7%、「いいえ」が24.1%と続いた。

76.6%が「コンプライアンス研修を受けていない」と回答
過去1年間に、コンプライアンス研修を受講したことはあるか聞いたところ、「いいえ」が76.6%、「はい」が23.4%となった。多くの企業において、従業員に対するコンプライアンス研修の実施が進んでいない現状がうかがえる。

さらに、企業規模別にコンプライアンス研修の受講状況を分析した結果、従業員100名以下の企業では、「いいえ」が90.4%、「はい」は9.6%にとどまった。従業員101名〜1000名の企業では、「いいえ」が71.3%、「はい」が28.7%。従業員1001名以上の企業では、「いいえ」が51.0%、「はい」が49.0%となり、企業規模が小さくなるほど受講率が下がる傾向が明らかになった。
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コンプライアンス研修受講者の約8割が「実務に役立つ」と評価
前問で「はい」と回答した人に対し、研修の内容は実務に役立つと感じたか質問した結果、「やや役立つ」が53.5%で最多となり、次いで「非常に役立つ」が24.7%、「あまり役立たない」が17.6%、「まったく役立たない」が4.1%と続いた。コンプライアンス研修を受講した人のうち、約8割が実務に役立つと感じていることが分かった。

「ハラスメントに関連する研修強化」を求める従業員が多い
コンプライアンスに関する教育・研修で強化してほしい点を聞いたところ、最も多かったのは「ハラスメントが起きた場合の対応方法」が42.9%、次いで「具体的な事例を用いた解説」が33.2%、「ハラスメントの種類と具体例」が30.3%と続いた。
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意識向上のために求める施策は「従業員アンケートの実施」「教育・研修」
コンプライアンス意識向上のために会社に取り組んでほしい施策を聞いたところ、「従業員アンケートの実施」が32.6%で最多となり、次いで「研修内容の充実」が30.3%、「研修頻度の増加」が18.3%、「相談窓口の設置・強化」が17.9%と続いた。従業員はコンプライアンス意識向上のために、会社に対して、教育・研修の充実、コミュニケーションの促進、社内体制の整備など、多岐にわたる施策を求めていることが示唆された。
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なお、調査の概要は次のとおり。
- 調査名:従業員のコンプライアンス違反に関する意識調査
- 調査方法:インターネットによるアンケート調査
- 調査期間:2025年3月10日
- 有効回答:勤務先で「コンプライアンス対応業務」を担当しているかという質問に対し、「担当していない」と回答した20~60歳までの従業員725名
- 調査企画:KiteRa
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