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特別寄稿《メンタルヘルス》| 産業医が語る「管理職のストレス構造」

逃げ場なき管理職…… メンタルヘルス不調を防ぐため、産業医が伝えたい「ストレス構造」と「支援策」とは

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責任はプライベートにも——逃げ場がない管理職

 業務量や責任の増加、コンプライアンス意識の高まりといった職場での重圧に加え、管理職世代の多くは家庭でも大きな責任を抱えている。家族の増加や住宅購入、子どもの進学や教育費、親の介護や相続問題など、家庭の中にも精神的・経済的な課題が山積みだ。

 職場でも部下の指導や人間関係に悩まされ、ようやく仕事が終わっても、家に帰れば次の責任が待っている。

 特に、部下の教育に真剣に向き合っている管理職ほど、家庭でも「良き親」「良き子」「良きパートナー」としての役割を無自覚に引き受けてしまい、心身の限界を超えやすい傾向がある。

管理職同士で支え合う機会の不足

 前編では、若手社員が「周囲と比べて自分は成長しているかどうか」に不安を感じていると紹介したが、これは管理職にも当てはまる。

 管理職になると、自分と同じ立場の人間が別の課や別のプロジェクトに分かれていることが多く、日常的に気軽に話せる同じポジションの相手がいなくなる。

 その結果、自分の指導や方針が正しいのかどうか、他と比較できずに悩みを深めることになる。

解決の第一歩は「指導軸の明確化」と「自分の時間の確保」

 部下の価値観が従前とは変化している中で、管理職がまず取り組むべきは、自分が部下にどのような姿を求めているのか、その理想像や指導の基準を明確にすること。そして、それを本人にていねいに伝えることである。

 この軸が定まっていないと、指導のたびに判断がぶれてしまい、自分自身も自信を持てずに対応することになる。その結果として、社員間で「不公平だ」と感じさせてしまったり、主張の強い社員に押し切られてしまったりすることにつながりかねない。

 また、脳の働きや感情をコントロールするために、自分自身の時間を確保するという意識もきわめて重要である。人間の脳には処理能力の限界があり、それを超えると思考や判断、感情のコントロールが著しく低下してしまう。

 最近では、これを「ワーキングメモリ」という概念で説明することが多い。ワーキングメモリとは、情報を一時的に保持しながら、それを処理・操作する能力であり、問題解決力や意思決定、感情制御に深く関係している。業務またはプライベートのプレッシャーが長期間にわたり継続すると、ストレスホルモンであるコルチゾールが慢性的に分泌され、ワーキングメモリの働きを鈍らせてしまう。

 結果として、問題解決力が落ち、感情が不安定になり、対人関係のトラブルや業務ミスなどが増え、さらにストレスが増すという悪循環に陥る。

 このループを断ち切るには、脳の処理能力を回復させる時間、すなわち「自分だけの時間」を持つことが欠かせない。やらなければならないことをいったん手放し、何も考えずに過ごす時間をつくることが、脳と心のリセットには不可欠である。

次のページ
会社が「社員に求めること」を定義することで、管理職は自信を持てる

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この記事の著者

吉田 英司(ヨシダ エイジ)

株式会社ベスリ(https://besli.co.jp/) 代表取締役 産業医・心療内科医臨床研修終了後、米系コンサルティングファームのベインアンドカンパニーでビジネスコンサルタントとして約3年間働く。会社組織の中で働くという視点から産業保健に興味を持ち、総合電機、半導体開発製造、外資IT、外資化学...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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