EYストラテジー・アンド・コンサルティング(以下、EYSC)は、人事・組織のコンサルタントによる企業年金コンサルティングサービスを7月1日より開始すると発表した。M&Aにおける年金リスク対応や、既存の確定給付型年金制度の効率的な管理や運営も含めて、包括的に支援するという。
支援する内容は次のとおり。
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- 退職給付制度の導入・改定
- クライアント企業の競争優位性と人事・報酬方針に基づき、現行の退職給付制度との親和性を評価し、最適な退職給付制度の設計をサポートする。また、退職給付制度を新規導入する場合でも、導入から運営まで一貫して支援。必要に応じて、EY税理士法人と連携し、税務面からの専門的な助言を提供する。
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- クロスボーダーM&Aの際の年金イシューへの対応
- 企業の成長戦略の一手段としてM&Aが用いられる中で、事業買収時には売り手の企業年金が大きな課題となることがある。企業年金コンサルティング支援サービスでは、EYSCのM&Aアドバイザリー部門と緊密に連携し、国内ならびに海外のクロスボーダーディールのスタートから完結までシームレスな支援を提供する。
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- 国内外の年金債務整理
- 確定給付型年金制度では、財務的なリスクが問題になることがある。企業は外部の信託に資金を預け、年金資産を運用して将来の給付に備えるが、適度なリスクを取ることで掛け金を少なくすることが一般的である。しかし、企業が本業以外の株式市場などで年金資産を運用する際のリスクを正当化するのは難しい場合がある。年金資産運用でのリスクを正当化できない場合、リスクを抑えた運用を選ぶことも考えられるが、これがROE(自己資本利益率)を損なう可能性もある。そのため、確定給付型年金制度を終了または清算することも1つの選択肢となる。これにより、企業のリスク配分を最適化し、株主価値の向上につなげられる。
- 国内外の確定給付型年金制度のリスクを広く分析し、必要に応じて、段階的に制度を終了させるためのコンサルティングサービスを提供する。
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