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特別寄稿《人材採用》| AI面接

進化を続ける「AI面接」の現在地 日本における期待・実態と海外の動向

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AI面接の実態と限界

 ここまで見てきたように、AI面接は、それに対する期待から国内外問わず大きな広がりを見せています。また昨今では、既存社員にAI面接を受けてもらい、その評価の平均値・中央値と比較して、候補者の見極めや配属先の決定を行うといった試みも始まっています。そのほか、AI面接は客観的かつ公平に能力値を判定できる性質を持つことから、自社カルチャーの数値化といった形での利用もなされています。

 ただ、弊社はAI面接サービスの提供も行っていますが、AI面接に対して過度な期待をしないようにと言明し、採用の最終判断は人間が行うことを強くお勧めしています。

 先述のとおり、AI面接では、候補者の回答内容や声、表情などを分析し客観的な評価を行うことが可能です。しかし、AIによる客観的な評価に加えて、人間による主観的な評価も組み合わせるほうが、正確な判断ができると考えています。人間の五感も優れており、人間による主観的な評価のほうが、その会社独自のカルチャーにマッチし活躍する人材の条件が反映されていることがままあるからです。AIによる客観的かつ公平な評価と組み合わせることで、より良い採用が可能になります。

 また候補者との面接には、企業側による見極めという面と、候補者に対する魅力付け(アトラクト)という面があります。AI面接でも、企業側の求人情報を説明したり、質問に回答したりすることは可能となりますが、AIではなく実際にその企業で働いている先輩社員から回答を得られることに意味があると考える候補者も少なくないでしょう。そのため、魅力付けという面では、先輩社員が自ら自社の魅力を語る価値を重視することをお勧めしています。

 ただし、人間による面接とAIによる面接を候補者が選べるようにした場合、新卒採用やエンジニア採用では、AI面接を希望する候補者のほうが多いという統計もあります(弊社サービスの利用実態より)。AI面接には、候補者が自らの都合のよいタイミングで面接に臨めるという利点があり、また、AI面接を導入していること自体が企業の魅力の1つとして捉えられることもあります。結局、人間による面接とAIによる面接とをうまく組み合わせていくことが適切だといえるでしょう。

AI面接を通して考える、人間とAIの未来

 先述のように、AIには利点と限界があり、それを正しく理解することが適切な利用に向けた第一歩です。

 AIは、現在検討されている技術的能力を1ヵ月後には優に超えていくなど、日進月歩で技術的拡張を続け、その進化が止まることはないでしょう。一方で、AI面接においては、たとえば候補者への魅力付けは先輩社員である人間が行ったほうがよいという面があるように、限界もあります。そのため、AI技術の進歩を見つめながら、同時に、人間の持ち味や利点を見つめ直すことが大事な考え方であるといえます。

 この点は、これからの人事にとって極めて重要です。採用以外にも、全社のタレントマネジメントやヒューマンリソースを司る人事は、どの仕事に人材を配置するかだけでなく、これからは「どの仕事にAIを導入するか」に関する統括も担うことになります。つまり、自社のAI推進の旗振り役という重責を負うのです。そのとき、AI技術を理解することで、逆説的に人間の利点を見つめ直すこともできるでしょう。そしてこの考え方は、AIと人間が共存していくこれからの時代に重要さを増すでしょう。

 望むと望まないとにかかわらず、人間とAIの共存は待ったなしです。その未来に向かう時代の当事者として現代を生きる私たちには、正しいあり方で技術を社会実装する責任があります。AI面接の使い方を考えることを通して、未来における人間とAIのあり方を考えてみていただけたらと思います。

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この記事の著者

橘 大地(タチバナ ダイチ)

株式会社PeopleX 代表取締役 CEO。AIによる採用面接・人事評価サービス協議会 代表理事。2010年東京大学法科大学院卒業。弁護士資格取得後、株式会社サイバーエージェント、GVA法律事務所にて、弁護士として企業法務活動に従事。2015年に弁護士ドットコム株式会社に入社し、クラウド契約サービス...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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