業務委託の現状が分かると、社内リソースの把握や業務の振り返りが円滑に
——この方々とのお取り引きを管理するために、「freee業務委託管理」を活用されているということですよね。導入する前は、どのような課題があったのでしょうか。
村中(マンガボックス) 多種多様な職種の外部パートナーの方々に参画いただく中で、現場担当者が個別に対応しているため、コミュニケーションが各担当者に閉じてしまい、全社的な現状把握が困難という課題がありました。以前はスプレッドシートやノーコードツールを使っていたのですが、契約管理までが限界で。ちゃんとすべてのお取り引きで発注書を出しているのかとか、どんなお仕事をお願いして何日間かかったのか、といったことまでは分からなかったのです。
それに、HRを担当している私としては、全社的なリソースが足りているのかいないのか知りたいし、フェアバリューの観点から、パートナーにお支払いする報酬を定期的に見直す必要もあると思っていて。社員と違ってパートナーとの関係性は見直すきっかけがないため、条件調整や業務の振り返りがないがしろになりがちじゃないですか。そうした課題を解消できるようになったのは、freee業務委託管理を導入した大きなメリットだと感じています。
前野(フリー) すばらしいですね。freee業務委託管理にはタレントマネジメントにも活用できる評価機能があるのですが、パートナーの方々と長期的に良好な関係を築くためにご活用いただいているケースはまだ多くはないため、とてもうれしいです。

フリーランス新法の影響は? 公正かつ公平な対応と“良い距離感”への想い
——気になるのは、2024年11月に施行された「フリーランス新法」の影響です。
村中(マンガボックス) マンガボックスは上場会社であるDeNAから分社化しているため、ガバナンスはもともと徹底しており、報酬の不払いや曖昧な契約といった問題はありませんでした。とはいえ、人的なミスは少なからずあったので、フリーランス新法を契機に、ワークフローの再確認や社員へのコンプライアンス意識の啓蒙も含め、意識レベルを引き上げたところはあります。
ですので、freee業務委託管理を導入した背景も、実はフリーランス新法への対応がきっかけではありません。もともとfreee会計を使っている中で、インボイス制度への対応をはじめ、freee会計だけでは対応しきれない部分が出てきたので、freee業務委託管理も導入した、というのが実際のところです。
前野(フリー) マンガボックスさんはもともとしっかりとしたガバナンスを築かれていたので、フリーランス新法への対応で慌てることはなかったということですね。
村中(マンガボックス) 私たちは、「誠実に、真摯に」という行動指針を大切にしています。パートナーとの関係性を公正かつ公平なものにしたいと願うのは、ごく自然な発想なのです。
もちろん、業務委託ですから、私たちのスタンスを押し付けることなく、互いに良い距離感を保つのが大前提ですが、その中で「マンガボックスのファンになっていただきたい」という想いは強くあります。
だからこそ、たとえば月に1度のハッピーアワーという社員が集まる懇親会の場には、希望されるパートナーにも来ていただけるようにしています。契約の形態が、業務委託であろうが社員であろうが、人と人との関係性で成り立っていることに変わりありませんから。